ニッセイ同和損害保険

ニッセイ同和損害保険について

ニッセイ同和損害保険株式会社は、かつて大阪に本社を置いていた損害保険会社であり、ニッセイグループの一員として活動していました。その歴史は、1897年の横浜海上火災保険の創業にまで遡ります。同社は、幾多の変遷を経て、2010年にあいおい損害保険との合併により、その歴史に幕を閉じました。

沿革

ニッセイ同和損害保険のルーツは、以下の二つの会社に遡ることができます。

横浜海上火災保険 (1897年): 富田鐵之助によって設立されました。
神戸海上運送火災保険 (1907年): 岡崎財閥の創設者である岡崎藤吉によって設立されました。

1944年、戦時中の企業統合・再編の流れの中で、横浜火災海上保険、共同火災海上保険、神戸海上火災保険、朝日海上火災保険（現在の楽天損害保険とは無関係）が合併し、同和火災海上保険が誕生しました。初代社長には岡崎真一が就任し、合併当初は業界第2位の規模を誇っていました。しかし、戦後のモータリゼーションの到来に対応できず、自動車保険事業での出遅れが響き、業界順位は12位まで転落しました。

1996年には、生命保険事業への参入を試み、子会社として同和生命保険を設立しました。同年、日本生命も損害保険事業に進出し、子会社としてニッセイ損害保険を設立しました。そして、2001年4月、同和火災海上保険とニッセイ損害保険が合併し、ニッセイ同和損害保険が誕生しました。この合併により、ニッセイアセットマネジメント株式会社、ニッセイ情報テクノロジー株式会社とともに、ニッセイグループの中核企業としての地位を確立しました。なお、1996年に設立された同和生命保険は清算され、保有契約は日本生命に移管されました。日本生命は筆頭株主となりましたが、持株比率は50%未満であり、同社の子会社ではありませんでした。

2010年4月1日には、株式交換により、あいおい損害保険と共に三井住友海上グループホールディングスの完全子会社となり、三井住友海上グループホールディングスは同日付でMS&ADインシュアランスグループホールディングスに商号を変更しました。さらに、同年10月1日には、あいおい損害保険と合併し、あいおいニッセイ同和損害保険へと商号変更し、現在に至ります。合併後も、日本生命保険との業務提携関係は継続されています。また、保険ブランドは「TOUGH（タフ）」及び「TOUGH Biz（タフビズ）」に統一されました。

ネットワーク

ニッセイ同和損害保険は、以下の場所に本社を構えていました。

大阪本社: 大阪市北区西天満4-15-11 フェニックスタワー
東京本社: 東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー

関連企業

ニッセイ同和損害保険は、以下の関連企業を有していました。

NDIビルマネジメント
ニッセイ同和損害保険調査
NDIコンピューターサービス
NDIビジネスサービス
NDIキャリアサービス
NDI保険サービス
フェニックスリスク総合研究株式会社

商品

同社は、以下のような保険商品を提供していました。

ぴたっとシリーズ
ぴたっとくん（自動車保険）
ホームぴたっと（火災保険）
ビジネスぴたっと（企業向け賠償責任保険）

不祥事

ニッセイ同和損害保険は、2005年に発覚した損害保険会社による保険金不払い問題に関与していました。同社は、16社の不払い企業の一つとして、当初10,290件、総額3億5,156万円の不払いが確認されました。その後、金融庁から業務改善命令を受け、再調査の結果、不払い件数は14,628件にまで増加しました。さらに、第三分野保険においても142件、3,700万円分の不払いがあったことが判明し、2007年に再び業務改善命令を受けました。

関連項目

ザ・フェニックスホール（ニッセイ同和損保フェニックスタワー内）
* 太陽神戸銀行（創業当時からの主要株主企業で、現在の三井住友銀行）

ニッセイ同和損害保険は、その歴史の中で数々の変遷を経験し、最終的にはあいおい損害保険との合併により、その名を歴史に刻みました。保険業界における重要な一企業としての役割を果たし、その歴史は今日の保険業界にも影響を与えています。

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