ニフティサーブ

ニフティサーブ (NIFTY-Serve)

ニフティサーブ（NIFTY-Serve）は1987年から2006年まで運営されていた、日本のパソコン通信サービスです。その背後には様々な企業の思惑や技術の進化がありました。元々、世界最大のネットワークコミュニティである米国のCompuServeの日本版を目指して、複数の企業が関与しましたが、ライセンス料の高額さから実現が難しくなりました。

1985年に富士通と日商岩井が連携し、CompuServeとの交渉の上、1986年にエヌ・アイ・エフ（NIF）が設立され、1987年にNIFTY-Serveとしてサービスが開始されました。ホストシステムは独自に開発され、汎用のUNIXワークステーションが使用されました。接続手段としては富士通が構築したパケット交換網であるFENICSが利用されましたが、当初は電話回線を用いた低速通信が一般的でした。

1. サービスの拡大と黎明期

サービス開始当初は46のフォーラムが設けられ、専門家や文化人がフォーラムマネジャーとして活躍しました。ニフティサーブはアスキーネットやPC-VANとは異なり、有料サービスとして実用性の高いデータベースを提供し、法人会員を多く抱えていました。そのため、ニフティサーブは早期から堅実な運営が求められ、真面目で堅苦しい文化が形成されました。

1995年にはパソコンブームに合わせて会員数が100万人を突破し、急成長を遂げましたが、同時期にインターネットの急速な普及に直面しました。インターネットは多様なメディア表示が可能であったため、ニフティサーブはその魅力を失いつつありました。

2. インターネット時代とニフティサーブの再構築

1996年には1995年の会員数は200万人に増えたものの、成長は鈍化し、インターネットや草の根BBSへの会員流出が問題となりました。これに対抗するため、1997年にはNIFTY SERVE INTERWAYを開始し、インターネットからの直接アクセスを可能にしました。こうしてニフティサーブはインターネット接続が主流となり、1998年度からは月定額料金のプランを導入しました。

特にニフティサーブ内のフォーラムや掲示板が様々な話題を取り扱い、特化したコミュニティが形成されましたが、インターネットの普及に伴い利用者は著しく減少しました。

3. 統合と衰退

1999年には、ニフティサーブは富士通の運営のもとで、インターネットプロバイダー「InfoWeb」と統合され、「@nifty」ブランドへと移行。旧システムに依存していたため、新システムへの移行がスムーズに行かず、利用者には不便が強いられました。

2001年頃には、従来のダイアルアップ接続に代わり、定額制への切り替えが進んでいく中で、ニフティサーブの急激な人気低下をもたらしました。

4. サービスの終了

最終的に、ニフティサーブは2005年と2006年にかけて、多くのサービスが終了しました。パソコン通信サービスの終了とともに、Webブラウザなしでの文字通信も消滅し、その結果、多くの利用者から非難が寄せられました。

現在の状況

現在、ニフティはインターネット中心のサービスを展開していますが、ニフティサーブでの歴史やデータは失われたものが多く残っていません。かつてのフォーラム利用者の一部が自主的に新たなサイトを立ち上げるなどして、古き良き時代のコミュニティ文化の再生を試みる動きも見られました。

このように、ニフティサーブは日本のパソコン通信の草分けとして、多くのユーザーに影響を与え、またその進化と衰退の過程には多くの歴史的な出来事が織り交ぜられています。

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