ニホア島

ニホア島：太平洋に浮かぶ古代の記憶と自然の宝庫

ニホア島は、ハワイ諸島の北西部に位置する、面積わずか1平方キロメートルの小さな無人島です。別名「バード・アイランド」とも呼ばれ、ハワイ語では「モク・マヌ（Moku Manu）」と呼ばれています。その名の通り、島は多くの海鳥のコロニーとなっており、自然豊かな生態系を育んでいます。

険しい地形と豊かな自然

島の最高地点はミラーズ・ピークで標高273メートル、その他にも260メートルのタナガー・ピークがあります。島の周囲は約300メートルもの断崖絶壁に囲まれており、ゴツゴツとした岩肌と急峻な谷が特徴的な地形を形成しています。このような地形が、手つかずの自然を守り、多くの海鳥たちの生息地としての役割を果たしています。

古代ハワイ人の足跡

ニホア島は無人島ですが、紀元後1000年から1700年頃にかけて、100人以上の古代ハワイ人が居住していたと考えられています。島内には、居住地や農地、宗教的な場所、埋葬洞窟など、80ヶ所以上もの遺跡が残されており、当時の人々の生活を知る手がかりとなっています。これらの遺跡は、ニホア島が単なる自然の島ではなく、古代ハワイ文化の一端を担っていたことを物語っています。

西洋との出会いとハワイ王国との関わり

1788年、ジェームズ・コルネットが西洋人として初めてニホア島を発見したとされています。しかし、コルネットがその後消息を絶ったため、一般的にはウィリアム・ダグラスが1年後に発見したとされています。1822年には、ハワイ王国のカアフマヌ女王が島を訪問し、ハワイの一部として併合を宣言しました。その後も、カメハメハ4世やリリウオカラニ女王など、ハワイ王室のメンバーがニホア島を訪れており、ハワイ王国との深い繋がりがうかがえます。

自然保護区としてのニホア島

1909年、ニホア島は他の北西ハワイ諸島の島々と共に、アメリカ合衆国内務省の合衆国魚類野生生物局が管轄する国立自然保護区に指定されました。これにより、島の自然環境と生態系は厳重に保護されています。ニホア島は、その独特な地形と豊かな自然、そして古代ハワイ人の遺跡が残る、貴重な文化的・自然遺産として、未来へと受け継がれていくことでしょう。

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