ニホンピロムーテー

ニホンピロムーテー

ニホンピロムーテーは、1971年に菊花賞を制した日本の競走馬であり、その後は種牡馬としても活動しました。主戦[[騎手]]である福永洋一は、彼に乗ることで騎手生活の中で初めての八大競走を制覇しました。

経歴

この馬は1968年4月6日、北海道の浦河町にある辻牧場で生まれました。1970年に栗東トレーニングセンターへ入厩後、同年の11月8日に、京都競馬場で福永洋一の騎乗によってデビューしました。しかし初戦は2着、年内の別の3戦も勝利を挙げることはできず、期待された才能にはなかなか至りませんでした。

翌年に入り、中央競馬の開幕日には未勝利戦で初勝利を収め、その後特別戦で2回の勝利を挙げました。3月に行われた毎日杯では新たに騎乗した簗田善則が乗り、このレースで重賞初勝利を獲得しました。しかし、その後は皐月賞で10着、東京優駿（日本ダービー）でも8着と、なかなか好成績には恵まれず、体調の問題も影響しました。

夏を迎え、北海道函館に遠征し、再び福永を騎手に迎えてオープン特別戦で初勝利を果たし、復調の兆しを見せました。秋には完全に立ち直り、神戸杯で重賞2勝目を挙げた後、菊花賞トライアルの京都新聞杯でも強力な走りを見せ、2馬身差で勝利しました。これにより、クラシック最終戦である菊花賞では、既に大きな期待を寄せられた1番人気となりました。

菊花賞では、これまで自身が得意としてきた差しや追い込みではなく、スタートから6番手につける戦略で臨みました。レース展開がスローペースに推移し、福永は2周目の第2コーナーで早々と先頭に立つ大胆な戦略を採りました。この行動は観客を驚愕させましたが、福永はその後スパートをかけ、最後まで逃げ切り勝ちを果たしました。これにより彼と厩務員の服部は共に初の八大競走制覇を達成し、福永は「天才」という名声を得ることになりました。

その後、年末の有馬記念を回避し、1972年に向けて春の天皇賞に照準を合わせました。残念ながら、5歳以降は脚部不安に悩まされ、その結果として中日新聞杯や大阪杯の勝利に留まり、競走成績は振るわないまま1973年に引退を迎えました。

競走成績

引退した後は種牡馬としての道を歩みましたが、期待されるような産駒は誕生しませんでした。1984年にその生涯を閉じるまで、彼の足跡は多くの競馬ファンに記憶されています。

血統

ニホンピロムーテーの父、ムーティエは気性が荒いことで知られ、彼もまた気性の激しい馬でした。母であるニホンピローは競走馬として5勝を挙げ、その血統には戦前の名牝である月城の流れが色濃く残っていました。近親には様々な名馬が存在し、競走馬の世界で名声が広がりました。

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