ニューオーリンズ (重巡洋艦)

USSニューオーリンズ (CL/CA-32)の艦歴

アメリカ海軍の重巡洋艦「ニューオーリンズ」は、1931年にニューヨーク海軍造船所で建造が開始されました。1933年、艦名はルイジアナ州ニューオーリンズにちなんで命名され、1934年に正式に就役しました。艦は日本との戦争前から訓練活動や護衛任務に従事し、その後の第二次世界大戦で数々の重要な軍事作戦に参加しました。

大戦前の活動

1934年の進水後、ニューオーリンズは北ヨーロッパでの整調巡航を行い、続いてパナマ運河やキューバ沖での訓練が行われました。1939年にはカリブ海での冬期訓練を実施し、戦争の迫る中で警戒任務も担いました。1941年12月、ハワイの真珠湾に停泊していたニューオーリンズは、真珠湾攻撃を受けます。攻撃時、本艦は修理中であり、一時的に電力不足に悩まされましたが、乗組員たちの奮闘により、日本機に対して応戦しました。

第二次世界大戦中の主要な戦闘

1942年には、真珠湾の修理を終えたニューオーリンズは、ジョンストン島やパルミラ環礁の輸送任務に従事し、レキシントンやエンタープライズを護衛し続けました。5月には珊瑚海の海戦に参加し、空母レキシントンの乗員を救助する勇敢な行動も見せました。

その後のミッドウェー海戦ではアメリカ艦隊が日本艦隊に勝利し、ニューオーリンズは無傷で真珠湾に帰投しました。続くウォッチタワー作戦を通じて、ニューオーリンズはガダルカナル島への上陸を支援し、日本機との交戦も行いました。特にルンガ沖夜戦では、厳しい状況の中で魚雷攻撃を受け、艦首が損傷する苦境に立たされましたが、巧みな操艦と乗組員の努力で無事に生還しました。

戦後の活動と最終的な退役

ニューオーリンズは戦後も活躍し、中国および朝鮮半島の港への派遣任務を経てアメリカ本土に帰還しました。1947年には退役し、その後1959年に除籍されました。艦はボルチモアでスクラップとして売却されましたが、2025年に海底調査によって艦首部が発見され、歴史的な艦艇としての存在が今なお想起されています。

栄典

ニューオーリンズはその戦功から17個の従軍星章を授与され、他にも戦闘交戦リボンや中国軍務勲章など多くの勲章を獲得しました。これにより、艦は第二次世界大戦におけるアメリカ海軍の重要な一翼を担ったことが示されています。

この艦の歴史からは、個々の乗組員の勇気と献身が戦争による苦難を乗り越え、勝利へと導く力となったことが伺えます。ニューオーリンズは単なる軍艦以上の存在として、海軍の栄光の象徴となり、今でも多くの人々に記憶されています。

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