ニューコム (駆逐艦)

USS Newcomb (DD-586)

USS Newcomb (DD-586)は、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦であり、その艦名は米西戦争において功績を残したフランク・ニューコム代将に由来しています。1943年3月19日にボストン海軍工廠で起工し、1943年7月4日に進水。L・B・クック中佐の指揮の下、同年11月10日に正式に就役しました。

艦歴と戦闘経歴

就役後のニューコムは、まず西インド諸島に赴き、調整を行った後、1944年4月から太平洋での対潜掃討任務に従事しました。特に注目すべきは、5月29日から8月5日の間、第56駆逐部隊を指揮し、サイパンおよびテニアンの戦いへの火力支援での役割です。この間、1944年6月22日には、ソナーで潜水艦「伊185」を探知し、3時間にわたって爆雷攻撃を行い、結果的に残骸と油の確認を行うことに成功しました。

サイパンの戦いは7月4日に日本軍の突撃によって事実上終結し、その後ニューコムはエニウェトク環礁やツラギ島に移動。引き続き、ペリリューの戦い中でも火力支援を担当し、なんと23発の砲弾を日本軍の拠点に撃ち込みました。続くレイテ島の戦いでも活躍し、特に10月25日のスリガオ海峡の夜戦では、日本艦隊に対して正面から突撃。ニューコムは魚雷を5発も発射し、1つが戦艦「山城」に命中したとされています。ただし、直後に反撃を受け、艦体が損傷する事態に見舞われました。

ニューコムは、フィリピン地域においても神風特攻の脅威にさらされながら、多くの奪回作戦に参加し、12月に行ったオルモック上陸作戦では部隊を掩護。また、1945年1月のリンガエン湾上陸当日には、神風攻撃による友軍の被弾に見舞われつつも、戦闘を続けました。

次の沖縄戦では4月6日に日本軍の大量神風攻撃に直面し、何度も回避運動を行いながら反撃しましたが、複数の神風が艦に突入。結果として、ニューコムは戦死者18名、行方不明25名、負傷64名を出しほぼ無力化されてしまいました。周囲の艦船が助けを試みるも、神風は更に続き、ニューコムは完全に動力を失う事態に陥りました。

修理と除籍

その後、駆逐艦ビールの護衛を受け、救助艦に曳航されながら慶良間諸島に向かったニューコムは、工作艦ヴェスタルの手によって6月14日まで仮修理が行われました。その後、サイパンや真珠湾を経て、1945年8月8日にサンフランシスコに到着しますが、間もなく戦争が終わりました。修理は行われないまま、1945年11月20日に退役し、1946年3月28日に除籍。1947年には解体されました。

獲得した勲章

ニューコムは、その戦歴において8つの従軍星章を受章し、さらに殊勲部隊章および海軍部隊表彰を1つずつ獲得しました。これらの賞は、彼らの勇敢な行動と艦の重要性を示しています。

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