ニュージーランド勲章

ニュージーランド勲章 (The Order of New Zealand, ONZ)

ニュージーランド勲章は、ニュージーランドで最高位の勲章として、民間人や軍人が公共に対して貢献した際に授与される特別な栄誉です。この勲章は、1987年2月6日にイギリス王室の勅許を受けて設立されたもので、その略称はONZです。貢献が評価される受章者は、基本的に存命の20名までで、正受章者、補助受章者、そして名誉受章者の3つのカテゴリーから成ります。

勲章の目的と受章基準

正受章者は、公共の利益に対して特に顕著な貢献をした人物に与えられます。受章者は命を持つ人物限られ、勲章は受章者が死亡または辞退した場合には、ニュージーランド国王に返還されます。返還された勲章は、新たな受章者に授与されるための選考が行われることになります。興味深いことに、正受章者が亡くなった後は、補助受章者が自動的に正受章者に昇格することはありません。受章者は、その名前の後ろに「ONZ」または「The Order of New Zealand」を記載することが認められています。

勲章の設立背景

ニュージーランド勲章は、1902年に創設された英国メリット勲章や、1917年に設立された大英帝国勲章を参考にして作られました。それまでの大英帝国勲章が英連邦内の市民や軍人への最高位の勲章であったのに対し、1987年以降はニュージーランドに特化した勲章として位置づけられました。また、補助受章者制度はワイタンギ条約150周年を祝して1990年に導入され、受章者はニュージーランドや英連邦内外の人物が対象とされています。

名誉受章者は公共に貢献した人物に授与されるもので、英連邦国民のみならず非英連邦国民にも認められています。

勲章のデザイン

ニュージーランド勲章のデザインには、その国の象徴である国章に加えて、マオリ族の伝統的なデザイン「コワイワイ（Kowhaiwhai）」模様が採用されています。勲章の色はマオリ族の伝統的な色である黒、白、赤が使用されており、これらの色には様々な解釈があります。これらの色は、過去、現在、未来の時間の流れや、権威、英知、力、または生命の循環を表現しているとも言われています。デザインを手掛けたのはフィリップ・オシェイで、彼はニュージーランド国王が授与する全ての勲章のデザインを担当していました。

受章者の概要

これまでに受章した正受章者には、ジューン・ブランデルやミリアム・デル、マーガレット・マーヒー、ウエツ・ティリカテネ・スリヴァンなど、様々な分野で功績を残した方々が含まれています。その他にも著名な政治家や活動家が名を連ね、その中にはジム・ボルジャー元首相やヘレン・クラーク元首相、さらにはラグビー選手のリッチー・マコウもいます。

補助受章者には、オーストラリアの政治家マイケル・ダフィーや第16代ニュージーランド総督キャサリン・ティザードが該当します。また、名誉受章者にはシュリダス・ランファルがその名を刻んでいます。受章者の数は時折変動し、ニュージーランド勲章はその特異な地位から多くの人々に尊敬されています。

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