ニュース (東京事変のアルバム)

東京事変、7年ぶりの新作EP『ニュース』：多様な視点が交錯する音楽的ニュース報道

2020年4月8日、ユニバーサルミュージック傘下のEMI Recordsより、日本のロックバンド・東京事変の2作目のEP『ニュース』（通算7作目）がリリースされました。初回生産分には、ニュース紙ジャケットとシリアルナンバーが封入されました。

再生後の初アルバム、7年ぶりのフルレングス作品

本作は、2020年1月1日の活動再開（「再生」）後初のアルバム作品であり、前作アルバム『Hard Disk』（2013年2月発売）から約7年ぶり、スタジオアルバム『color bars』からは約8年ぶりのリリースとなります。5曲すべての楽曲は、メンバーそれぞれが作曲を担当し、椎名林檎が全曲の作詞とボーカルを担当するという構成で制作されています。

全曲タイトルは7文字で統一されており、『color bars』と同様のこだわりが見られます。アルバム全体を通して、「ニュース番組における多角的な視点」や「一見無関係なトピック同士の繋がり」といったテーマが表現されています。

収録曲：多様な音楽性とオマージュ

収録されている5曲は、それぞれ個性的な魅力を持つ楽曲です。

選ばれざる国民（The Lower Classes）： 2020年1月1日より先行配信された楽曲。椎名林檎のインタビューによれば、『某都民』の続編的な位置付けにあるとのこと。歌詞には日清チキンラーメンとコンビニam/pmのCMソングへのオマージュが散りばめられています。
うるうるうるう（Leap & Peal）： 伊澤一葉の作曲による楽曲。当初は博多弁で書かれた「あまおういちご」というタイトルでしたが、完成に至らず、現在の楽曲が誕生しました。「名実共に」というタイトルで発表された博多弁の楽曲も存在します。第71回NHK紅白歌合戦でも披露されました。歌詞にはフジカラーのCMソングへのオマージュが含まれています。アウトロのスキャットは、伊澤、刄田、浮雲が担当。
現役プレイヤー（Active Players）： WOWOWテニス2020シーズンイメージソング。メンバーそれぞれが4小節ずつリフを奏で、徐々に合わさっていく構成が特徴的です。アウトロの「OK？」は伊澤の声。
猫の手は借りて（The Cat From Outer Space）： デモ段階ではアンサンブルが完成していましたが、尺や構成はメンバー全員で調整されました。「人生」という言葉は、この曲ではあえて使用されていません。
* 永遠の不在証明（The Scarlet Alibi）： 映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』主題歌。先行配信され、児玉裕一監督によるミュージックビデオも制作されました。映画の公開が延期されたにも関わらず、CDは予定通り発売されました。

全編曲は東京事変が担当し、全作詞は椎名林檎が手がけています。

テレビ出演とチャート成績

2020年4月3日には、テレビ朝日系列『ミュージックステーション』に出演し、「永遠の不在証明」と「能動的三分間」を披露しました。これは「再生」後初のテレビ出演となりました。

発売後、オリコンデイリーアルバムランキングで初登場2位、週間アルバムランキングでも初登場2位を獲得。週間合算アルバムランキングでも2位、月間アルバムランキングでは3位を獲得するなど、高い人気を示しました。Billboard Japan Hot Albumsでも初登場2位を獲得しています。

まとめ

『ニュース』は、東京事変の「再生」後初の作品であり、メンバーそれぞれの才能と、椎名林檎の作詞・ボーカルによる高い完成度が融合した、聴き応えのある作品となっています。多様な音楽性と、巧みに織り込まれたオマージュ、そして緻密に構成された楽曲群は、リスナーに多くの発見と感動を与えてくれることでしょう。7年ぶりのフルレングス作品としての期待に応え、音楽シーンに新たなニュースを届けました。

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