ニューハンプシャー (戦艦)

アメリカ海軍戦艦「ニューハンプシャー」(USS New Hampshire, BB-25)について

ニューハンプシャーは、アメリカ海軍が建造したコネチカット級戦艦の6番艦であり、その艦名はアメリカ合衆国ニューハンプシャー州に由来します。この名前を持つ艦としては2隻目にあたります。特筆すべきは、本艦がドレッドノート型の戦艦が就役したわずか2年後に竣工した、アメリカ海軍における最後の前弩級戦艦であったという点です。

艦歴

1905年5月1日、ニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で起工されたニューハンプシャーは、1906年6月30日にヘイゼル・E・マクレーン（当時ニューハンプシャー州知事であったジョン・マクレーンの娘）によって命名され進水しました。その後、1908年3月19日に初代艦長キャメロン・M・ウィンズロー大佐の指揮下、正式に就役しました。

就役後、ニューヨーク沖での整調訓練を終えたニューハンプシャーは、1908年6月26日にパナマのコロンへ海兵隊遠征大隊を輸送する任務を遂行しました。その後、ケベック、ポーツマス、ニューヨーク、ブリッジポートといった各地への儀礼訪問を行い、ニューヨークでのオーバーホールとカリブ海での演習を重ねました。1909年2月22日にはハンプトン・ローズにてセオドア・ルーズベルト大統領の観閲を受け、グレート・ホワイト・フリートに加わりました。

その後、東海岸とカリブ海での演習を続け、1910年11月1日には第2戦艦部隊の一員としてハンプトン・ローズを出航し、フランスのシェルブールとイギリスのウェイマスを訪問しました。12月30日にイギリスを離れ、1911年3月10日にはバージニア州ノーフォークへ帰還。その後、再びヨーロッパを訪問し、スカンジナビア、ロシア、ドイツの港を巡りました。艦隊がニューイングランドに戻ったのは1911年7月13日のことでした。

1912年の夏には海軍兵学校生の訓練巡航を行い、12月にはイスパニョーラ島近海の偵察巡航を実施。翌1913年の夏も海軍兵学校生の訓練にあたりました。1913年6月14日から12月29日まではアメリカ合衆国の権益を保護するためメキシコ水域を巡航。1914年4月15日には再びメキシコ水域に戻り、ベラクルス占領作戦を支援しました。6月21日に北へ向かい、ノーフォークでのオーバーホールの後、カリブ海と東海岸で訓練を継続。1915年8月には再びベラクルスを訪れました。

1915年9月30日にノーフォークに帰還後、北部水域での作戦活動を1916年12月2日まで続け、その後サントドミンゴへ向かいました。1917年2月にはオーバーホールのためノーフォークへ戻り、アメリカ合衆国が第一次世界大戦に参戦した際には入渠中でした。オーバーホール完了後は、砲兵と機関兵の訓練を実施。1917年9月15日には、初めての船団護衛任務として、ニューヨークからフランス沿岸まで輸送艦隊に同行しました。大戦終結後は帰還兵の輸送任務に従事し、1918年12月24日にフランスを出港、東海岸へ帰還兵を送り届けました。この任務は4回行われ、1919年6月22日に終了。その後フィラデルフィアでオーバーホールを受けました。

1920年6月5日には海軍兵学校生を乗艦させ、パナマ運河を通過し、ハワイと西海岸の港を訪問しました。9月11日にフィラデルフィアへ帰還しています。1920年10月18日から1921年1月12日までは、ハイチ水域での特別部隊旗艦任務に従事。1月25日には、スウェーデンの大臣ヴィルヘルム・エクリーグレンの遺体を乗せてストックホルムへ向かい、2月14日に到着しました。ヨーロッパでは、キールとグレーヴセンドを訪問し、3月24日にフィラデルフィアに帰還しました。1921年5月21日、フィラデルフィアで退役しました。

ニューハンプシャーは、ワシントン海軍軍縮条約に基づき、1923年11月1日に廃棄のため売却されました。

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

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