ニューバーンの戦い

ニューバーンの戦い：主教戦争における決定的な一戦

ニューバーンの戦い（Battle of Newburn）は、1640年8月28日にイングランド北部で発生した、第二次主教戦争における重要な戦闘です。この戦いは、第一次主教戦争を含めた両戦争において、実質的に唯一の大規模な戦闘であり、後の清教徒革命へとつながる重要な転換点となりました。

戦いの背景

主教戦争は、イングランド王チャールズ1世がスコットランドに国教を強要しようとしたことが発端となり、スコットランド国民の反発を招いて勃発しました。スコットランド国民は国民盟約を結び、これに対抗しました。1639年の第一次主教戦争では、両軍は明確な決着を見ないまま停戦に至りましたが、その緊張は継続していました。

1640年、スコットランド国民盟約軍は再びイングランドに侵攻しました。しかし、イングランド側は国内の混乱により十分な軍勢を準備できず、アイルランドなどからかき集めたわずかな兵力を国境に送るのみでした。このような状況下で、ニューバーンの戦いが起こりました。

戦闘の経過

両軍はタイン川を挟んで対峙しました。スコットランド軍は、経験豊富なアレクサンダー・レズリー将軍に率いられ、規律正しく訓練されていました。一方、イングランド軍は、組織力と士気に欠けており、準備不足も否めませんでした。

戦闘が開始されると、スコットランド軍の別動隊がイングランド軍に奇襲をかけました。イングランド軍は混乱し、次々と川に追い落とされ、そのほとんどが戦闘不能となりました。スコットランド軍は、この勢いに乗じてニューカッスル・アポン・タインを占領し、さらに南進を続ける構えを見せました。

戦いの結果と影響

ニューバーンの戦いでの敗北は、イングランド王チャールズ1世にとって大きな打撃となりました。イングランド軍の敗北は、チャールズ1世の権威を大きく失墜させ、国内の不満を増大させることになりました。

チャールズ1世は自らスコットランド軍に貢物を携えて和平を乞い、リポン条約が締結されました。この条約によって、ノーサンバーランドとダラムはスコットランド軍によって一時的に占領され、スコットランド軍の駐留費をイングランドが支払うことになりました。この条約は、イングランドにとって屈辱的な内容であり、チャールズ1世の権威をさらに失墜させることとなりました。

ニューバーンの戦いとそれに続くリポン条約は、イングランドにおける政治的な危機を深め、後の清教徒革命の遠因となったと言われています。また、この戦いは、スコットランド国民盟約の力を示しただけでなく、イングランド王権の脆弱性を浮き彫りにしました。ニューバーンの戦いは、単なる一地方の戦闘にとどまらず、その後のイギリス史の流れを大きく左右した重要な出来事であったと言えるでしょう。

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