ニューマンアスレチックス

ニューマンアスレチックス

『ニューマンアスレチックス』は、1993年9月にナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）がアーケード向けに発表したスポーツ競技ゲームです。コナミの『ハイパーオリンピック』のようなスポーツ大会形式を踏襲していますが、本作の最大の特徴は、操作する選手が人間の限界を超えた能力を持つ「超人（ニューマン）」である点にあります。彼らが挑むのは、その超人的な身体能力を存分に活かした、ユニークかつ現実離れした競技の数々です。基本的な操作は、攻撃やジャンプ、特定の行動を行うための3つのボタンを駆使して行われます。

概要

ゲームでは全8種類の競技に挑戦し、それぞれの種目で記録更新を目指します。各競技には「NEED記録」という基準値が設けられており、これに達しない場合はそこでゲームオーバーとなります。しかし、ゲームをコンティニューすることでNEED記録のハードルが下がるという、プレイヤーへの救済措置も用意されています。

本作はその斬新なコンセプトとユニークな競技内容で人気を博し、1995年2月には続編となる『マッハブレイカーズ』も発売されました。

キャラクター

プレイヤーキャラクターは個性豊かな4名の「ニューマン」たちから選択できます。ただし、キャラクターごとの能力に差はありません。4人同時プレイ可能な筐体では、各キャラクターが担当する位置は固定されていますが、2人プレイ筐体ではプレイヤーが任意のキャラクターを選ぶことが可能です。

登場するキャラクターは以下の通りです。

シャロン・レアール（1P）: フランス代表の17歳の美少女。唯一の女性キャラクターで、ツインテールに青いハイレグレオタードとニーソックスという装いです。続編『マッハブレイカーズ』にもゲストキャラクターとして登場しました。
ハリー・ポフィン（2P）: アメリカ代表の20歳。金髪でサングラスをかけたクールな青年です。
ナカムラ・マサエモン（3P）: 日本代表の26歳。侍を彷彿とさせる出で立ちの青年で、「中村雅衛門」と漢字でも表記されます。
ボンゴ・テンボ（4P）: ケニア代表の36歳。圧倒的な筋肉を誇る巨漢です。

競技内容とルール

ゲームに登場する全8種類の競技は、それぞれがニューマンの能力を活かした非現実的な内容となっています。競技に挑戦する順番は決まっており、試技回数や参加人数（全員同時か1人ずつか）は種目によって異なります。

記録について：1回試技の競技はその記録が、複数回試技の競技はベスト記録が採用されます。
ワールドレコード：各競技で最高記録を更新したプレイヤーは、リザルト画面でネームエントリーを行うことができます。
* 多人数プレイ時の得点：一種目ごとに1位に6点、2位に3点、3位に1点、4位に0点が与えられます。8種目終了時点の合計得点で最終順位が決まります。同記録の場合は優劣をつけず、同順位として同じ得点が入ります。

競技一覧

（カッコ内は開催地）

1. TURBO DASH/ターボダッシュ（アメリカ）: スタートから加速するドラッグレースカーをも途中で追い越す、驚異的なスピードでの徒競走です。フライング判定はありません。
2. INTERCEPTOR/インターセプター（ロシア）: 遠くの戦艦から放たれる砲弾を、手から発射するエネルギー弾で迎撃します。制限時間20秒。砲弾の着弾地点はランダムですが、最初の1発は決まっています。砲弾に被弾するか撃ち漏らすとその場で試技終了となりますが、それまでに迎撃した砲弾の数は記録として有効です。
3. MISSILE TOSS/ミサイルトス（ケニア）: 陸上競技のやり投に似ていますが、投げつけるのは全長2メートルほどの大型ミサイルです。踏切ラインを超えると池に落下して失敗となります。失敗時には一部キャラクターの服が破れる演出が含まれます。
4. NUMAN SNIPER/ニューマンスナイパー（南極）: 出現する11体の怪獣をエネルギー弾で撃退する、反射神経が鍵となる競技です。怪獣の出現位置は毎回変わります。標的1体につき1発しか撃てず、誤射するとその標的の得点は0点となります。
5. VS.EXPRESS/バーサスエクスプレス（日本）: 駅のホームに高速で突入してくる新幹線（300系）を受け止め、その勢いを力で封じて逆方向に押し返すという豪快な競技です。押し返した距離を競います。
6. TOWER TOPPER/タワートッパー（フランス）: 17階建てのビル群の間を、正確なタイミングで三角跳びを繰り返しながら最上階まで到達するタイムを競います。2階以上で跳び損ねると地上に落下してミスとなります。
7. NOSTOP ROCK CHOP/ノンストップロックチョップ（オーストラリア）: 抱えるほどの巨大な岩を、己の腕力のみでひたすら破壊し続ける競技です。制限時間25秒以内に規定数の岩を砕くことが目標となります。
8. NIAGARA JUMPS/ナイアガラジャンプ（ザンビア）: ナイアガラの滝のすぐ上流、流速の速い川の上を、助走速度250km/hからの三段跳びで対岸へ渡ります。失敗すれば滝つぼに転落。対岸に設けられた合格ラインを超えて着地できなければミスとなります。

音楽

本作の音楽は、ゲーム音楽作曲家の佐野信義氏が手掛けています。前作にあたる『F/A|F_A』で打ち出したテクノミュージック路線を基盤としつつ、ブレイクビーツを多用することで差別化を図っています。一部の楽曲では、プロディジーやAltern-8といった当時のレイブシーンで活躍していたテクノユニットからの影響が見られます。

移植版

アーケードでの成功後、本作はいくつかのプラットフォームに移植されています。2004年8月2日には携帯電話向けアプリとして、2009年4月28日にはWiiのバーチャルコンソールアーケードにて配信されました。そして、2024年4月25日にはハムスターが手掛けるアーケードアーカイブスシリーズの一つとして、PlayStation 4|PlayStation_4版とNintendo Switch版が配信されています。

特にPlayStation 4|PlayStation_4版とNintendo Switch版のアーケードアーカイブス版では、オリジナルの国内版と海外版が両方収録されています。「こだわり設定」では使用キャラクターを自由に切り替えられる機能が追加され、「ハイスコアモード」では8種類の競技ごとの記録が集計されるなど、現代のゲーム機ならではの追加要素も含まれています。

『ニューマンアスレチックス』は、その奇抜なコンセプトと熱中できるゲーム性で、今なお多くのゲームファンに記憶されている作品です。

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