ニューヨーク (装甲巡洋艦)

USS New York (ACR-2)

USS New Yorkは、アメリカ海軍の装甲巡洋艦で、ニューヨーク州に由来する艦名を持つ4隻目の艦です。1888年に建造が承認され、1890年にフィラデルフィアで起工しました。進水は1891年で、1893年8月1日に艦長ジョン・フィリップ大佐の指揮のもと就役しました。

艦歴の概要

南大西洋戦隊に配属されたUSS New Yorkは、出航後リオデジャネイロに向かい、南米と西インド諸島を経由して帰国しました。その後、北大西洋戦隊に加わり、冬季訓練の合間にはトリニダードでの火災救援に従事しました。1895年にはヨーロッパ戦隊に参加し、キール運河の開通式にアメリカ代表として出席しました。1897年までニューヨーク沖やフォート・モンロー沖での作戦活動を行いました。

1898年1月、米西戦争の勃発を受けて、USS New Yorkはキューバ方面に向かい、マタンザスへの砲撃やサンフアンでの艦隊任務を行いました。7月にはサンチャゴ・デ・キューバ海戦に参加し、アメリカ艦隊の勝利に寄与しました。戦後、様々な地域への巡航や演習活動に従事し、1899年には中南米の紛争地に向けて出航しました。

アジア艦隊とその後

1901年にはアジア艦隊に配属され、ジブラルタルを経由してカヴィテで艦隊の旗艦任務に就きます。横浜でペリーの上陸記念碑の除幕式に参加し、その後フィリピン諸島での反政府活動に従事しました。1903年には太平洋戦隊に配属され、ホンジュラスのアンパラでの権益保護任務に従事し、ルーズベルト大統領のレセプションにも参加します。1904年にはパナマとペルーを訪問後、近代化改修のため1905年に退役しました。

再就役したUSS New Yorkは、アジア艦隊に再び合流し、フィリピン、日本、中国など多くの港を巡航しました。1911年には艦名を戦艦BB-34に譲る形でサラトガと改名されました。

サラトガからロチェスターへ

USS Saratoga（旧USS New York）は、極東での任務を終えた後、1917年に再び完全就役し、太平洋偵察部隊に参加しました。様々な艦隊任務を経て、1917年にはその艦名を巡洋戦艦CC-3に譲る形でロチェスターに改名されます。この艦もまた、護衛任務などで活躍しました。

沈没と現在

USS New Yorkは、1933年に退役し、長い年月を経て1941年に日本軍によって撃沈されました。現在ではこの艦は人工岩礁として活用され、スービック湾は潜水観光地として知られるようになりました。沈没したUSS New Yorkは、アジアで有名なダイビングスポットの一つとなり、観光業にも寄与しています。

まとめ

艦や命名に込められた歴史的な意義を持つUSS New Yorkの物語は、アメリカ海軍の艦艇の中でも特に興味深いものといえるでしょう。

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