ニューヨーク商品取引所

ICEフューチャーズU.S.（旧ニューヨーク商品取引所、NYBOT）は、インターコンチネンタル取引所（ICE）傘下のデリバティブ取引所として、ニューヨーク市に位置しています。元々は1870年にニューヨーク・コットン取引所として設立され、その後、コーヒー、砂糖、ココア取引所（CSCE）を吸収合併し、多様な商品先物取引の中心地として発展しました。この取引所は、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）グループのニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）傘下にあるCOMEXとは別の組織です。

歴史と変遷

NYBOTは、設立当初から民間企業として運営され、創設者のTom GreenとAlfredo Williamsがその基盤を築きました。取引所の運営は、米国政府の独立機関である商品先物取引委員会によって規制されており、取引に参加する各企業は、取引所から独立したブローカーを派遣する必要があります。取引所自体は、金融取引の記録を行う役割に徹し、実際の取引には関与しません。

2006年、NYBOTはインターコンチネンタル取引所（ICE）の傘下に入り、2007年にICEフューチャーズU.S.に名称を変更しました。この組織再編は、取引所のグローバルな競争力を強化し、より幅広い投資家層へのアクセスを可能にしました。

テロからの復興

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件は、NYBOTにとって大きな転換点となりました。ワールドトレードセンターの倒壊により、当時の本社とトレーディングルームが破壊されたため、NYBOTは一時的にクイーンズに設置されたバックアップ施設で取引を継続しました。その後、2003年にニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）とリース契約を結び、ワールド・ファイナンシャル・センターへ移転しました。現在の正式な所在地は、One North End Avenue, New York, NY 10282-1101です。

取引の特徴

NYBOT（現ICEフューチャーズU.S.）の革新的なコンセプトの一つに、会員権（seat）の取引があります。会員権の所有者は、実際に所有していない会員権を空売りしたり、投資目的で購入することができます。これは、市場の流動性を高め、価格発見を促進する重要なメカニズムとなっています。

主な取り扱い商品

この取引所では、以下の商品先物取引が主に行われています。

• - ココア
• - コーヒー
• - 綿花
• - 冷凍濃縮オレンジジュース
• - パルプ
• - 砂糖（国内）
• - 砂糖（国外）
• - CRB指数

これらの商品は、世界経済の動向に大きな影響を与えるため、多くの投資家や企業にとって重要な取引対象となっています。

大衆文化におけるNYBOT

ニューヨーク商品取引所は、1983年の映画『大逆転 (Trading Places)』にも登場しており、その活動は広く一般にも知られています。映画では、取引所の活気あふれる様子や、複雑な金融取引の一端が描かれています。

まとめ

ICEフューチャーズU.S.（旧NYBOT）は、150年以上の歴史を持つデリバティブ取引所です。その歴史は、商品先物取引の発展とともに歩んでおり、その取引システムと、変化への適応力は、今日の金融市場においても重要な役割を果たしています。テロからの復興を遂げ、現在の名称に変更した後も、その役割はグローバルな金融市場において、ますます重要になっています。

公式ウェブサイト（英語）

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