ニュー・ジューク・ボックス・ヒッツ

アルバム概要

『ニュー・ジューク・ボックス・ヒッツ』（New Juke Box Hits）は、1961年にリリースされたチャック・ベリーの5作目のスタジオ・アルバムです。本作は、その名の通り、彼の音楽スタイルの集大成とも言える内容になっています。収録曲のほとんどはこのアルバムが初めて発表されたものであり、その中には1961年のシングルとしてリリースされた「アイム・トーキング・アバウト・ユー」と「リトル・スター」が含まれています。

録音と制作

本アルバムの収録曲は、主に1961年初頭に録音されました。特に「アイム・トーキング・アバウト・ユー」、「ルート66」、「リップ・イット・アップ」の3曲は1961年1月のセッションでエレクトリックベースを取り入れた新しい音が特徴的です。他の楽曲は1960年の初めから春にかけて録音され、ウィリー・ディクスンのダブル・ベースが印象的な仕上がりになっています。

「ルート66」は、1946年にナット・キング・コールがヒットさせた名曲のカバーで、このアルバムに収められた他のカバー曲には、タンパ・レッドの「ドント・ユー・ライ・トゥ・ミー」やB.B.キングの「スウィート・シックスティーン」、「リトル・リチャードの「リップ・イット・アップ」があります。

アルバムの再リリース

1964年には、本アルバムがオランダで再発され、その際はタイトルが『Juke Box Special』に変更され、ジャケットデザインもオリジナルとは異なるものになりました。このような再リリースは、時が経つにつれてアルバムの価値を高める役割を果たしています。

評価と影響

オールミュージックの評論家、ウィリアム・ルールマンは、アルバムに5点満点中3.5点を付け、「他の作品と比較すると若干劣るものの、非常に優れたロックンロールのコレクションとなっている」と評しています。また、ローリング・ストーンズも本作の影響を受けており、彼らのデビューアルバム『ザ・ローリング・ストーンズ』では、ここから「ルート66」をカバーしました。さらに、1965年の『アウト・オブ・アワ・ヘッズ』では「アイム・トーキング・アバウト・ユー」を「Talkin' 'Bout You」と改題して再演しています。

収録曲一覧

このアルバムには以下の曲が収録されています。特に記載がない限り、全てチャック・ベリーの作品です。

1. アイム・トーキング・アバウト・ユー "I'm Talking About You" – 1:50
2. ディプロマ・フォー・トゥー "Diploma for Two" – 2:30
3. サーティーン・クエスチョン・メソッド "Thirteen Question Method" – 2:16
4. アウェイ・フロム・ユー "Away from You" – 2:39
5. ドント・ユー・ライ・トゥ・ミー "Don't You Lie to Me" (Hudson Whittaker) – 2:09
6. ザ・ウェイ・イット・ワズ・ビフォー "The Way It Was Before" – 2:54
7. リトル・スター "Little Star" – 2:47
8. ルート66 "Route 66" (Bobby Troup) – 2:53
9. スウィート・シックスティーン "Sweet Sixteen" (Joe Josea, B.B. King) – 2:47
10. ラン・アラウンド "Run Around" – 2:33
11. ストップ・アンド・リッスン "Stop and Listen" – 2:27
12. リップ・イット・アップ "Rip It Up" (John Marascalco, Robert Blackwell) – 2:10

このように、チャック・ベリーの『ニュー・ジューク・ボックス・ヒッツ』は、革新的なサウンドと深い音楽的影響を持つアルバムとして、今なお多くのファンに愛されています。彼の音楽は、後の世代のアーティストたちにも大きな影響を与え続けているのです。

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