ニュー山王ホテル

ニュー山王ホテル：在日米軍の拠点と歴史

ニュー山王ホテルは、東京都港区南麻布に位置する、アメリカ海軍が管理運営する在日米軍施設です。米軍関係者の宿泊施設として機能する一方、日米地位協定に関する合同委員会の開催地としても知られており、日米関係において重要な役割を担っています。 その歴史は第二次世界大戦後、旧日本軍の山王ホテル士官宿舎の接収にまで遡ります。

歴史：旧山王ホテルからニュー山王ホテルへ

1946年、終戦直後、アメリカ軍は旧山王ホテルの士官宿舎を接収し、使用を開始しました。その後、1983年に旧山王ホテルが元の所有者である安全自動車に返還されると、日本政府はアメリカ軍に代替施設として安立電気本社跡地を提供しました。この跡地に建設されたのが、現在のニュー山王ホテルです。

149室の客室、15万平方フィートの床面積、74台の駐車場を備え、旧山王ホテルとほぼ同規模の施設となっています。建築は1981年6月に開始され、1983年6月に完成。同年7月には閣議決定と日米政府間協定締結を経て、アメリカ軍への正式な提供が行われました。

ニュー山王ホテルの開設後、地域との連携強化のため、「ニューサンノー米軍センター地域連絡協議会」が1983年11月に設立されました。この協議会は、日本国関係機関、ニュー山王ホテル代表、地元町内会などから構成され、定期的な協議を通じて地域社会との良好な関係維持に努めています。

2004年から2006年には大規模な改修工事が行われ、ロビーには特別な大理石が敷き詰められるなど、1,000万米ドル以上の費用が投じられました。これらの改修によって、施設の機能性と快適性が大きく向上しています。

施設概要：充実の設備とサービス

ニュー山王ホテルは、単なる宿泊施設にとどまらず、多様な機能を備えています。

住所: 東京都港区南麻布4-12-20
開業: 1983年10月
客室数: 149室（全室禁煙）
土地面積: 7,249平方メートル（私有地）
建物: 地上7階、地下1階
管理部隊: 極東海軍施設技術部隊（アメリカ海軍横須賀基地司令部）


施設内には、和食・洋食レストラン、カフェ、バーラウンジといった飲食施設に加え、スイミングプール、フィットネスセンター、会議室、パーティー・宴会場なども完備されています。さらに、銀行やATMも設置され、滞在中の利便性を高めています。

アメリカ同時多発テロ事件以降は、テロ対策の一環として、施設前のパーキングメーターが撤去されました。

アクセス：便利な立地

ニュー山王ホテルは、交通アクセスも良好です。

鉄道・バス: 東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩約12分、都営バス「都06」「品97」天現寺橋停留所から徒歩約1分
自動車: 明治通り天現寺橋交差点から東へ約150メートル、首都高速2号線天現寺出入口から約50メートル

ニュー山王ホテルの役割

ニュー山王ホテルは、在日米軍関係者にとって重要な宿泊施設であると同時に、日米間の外交・安全保障においても重要な役割を果たしています。日米地位協定に関する合同委員会の開催地として、日米間の協議の場を提供することで、日米関係の安定に貢献しています。 また、施設内では英語と米ドルが使用され、米軍関係者だけでなく、大使館関係者なども利用する国際的な拠点となっています。週末は満室となることも多く、その需要の高さが伺えます。

まとめ

ニュー山王ホテルは、歴史的背景、地理的条件、そしてその機能から、在日米軍、そして日米関係を考える上で重要な場所と言えます。その存在は、日米両国の友好関係の象徴であり、今後もその役割を果たし続けることでしょう。旧山王ホテルの歴史を受け継ぎ、現代においても重要な役割を担うニュー山王ホテルは、日本の歴史と日米関係の一端を物語っています。

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