ニントゥアン第二原子力発電所

ニントゥアン第二原子力発電所の概要と現地の状況

ニントゥアン第二原子力発電所（ベトナム語：Nhà máy điện hạt nhân Ninh Thuận 2）は、ベトナム中南部のニントゥアン省ニンハイ県に位置する予定の原子力発電所です。このプロジェクトは2000年代初頭から具体化が進められ、ニントゥアン第一原子力発電所と合わせて、様々な国の企業や政府による関与がありました。特に2010年の首脳会談では、日本が建設パートナーとして選ばれ、以降の協力協定が結ばれました。

建設計画の進展と中止

発電所は1号機と2号機から成り、総発電量は200万キロワットが計画されていました。着工は2015年末、完成は2021年を目指していましたが、2016年11月にベトナム政府は経済性や需要の見直しを理由に、ニントゥアン第一原子力発電所と共に建設中止を決定しました。これは、コストの増加や財政難の影響を受けました。

現地の住民の状況

建設計画の初期段階では、住民の多くは原発の建設に賛成する雰囲気が根付いていました。しかし、2011年には危険性が周知されていない状況が明らかとなり、住民の意見が一致していないことが懸念されました。特に、原発から5キロメートルの距離に立ち退きが予定されている集落があり、地域住民は原発の運用による影響を懸念していました。

また、計画地周辺は国立公園でもあり、ウミガメの生息地としても知られ、自然環境への影響が議論されていました。近隣の農業や漁業の重要性も注目され、それらの産業が損なわれることへの懸念が住民の間で高まりました。

住民の声と抗議活動

2012年、453人のベトナム人が署名した文書が政府に提出され、日本の原発支援に対して「無責任な行動」として抗議しました。このような背景から、住民の不安と抗議が高まる中で、原発に対する賛否が分かれる状況となっています。

地域の文化と災害への備え

この地域には先住民のチャム人が多く住んでおり、「波の神」と呼ばれる津波の伝説もあります。2011年には津波対策として、原発周辺に15メートルの堤防を建設する方針が示されました。一方で、ベトナムは地震が少ないとされていましたが、最近では地震発生の頻度が増加しているとの指摘もあります。

まとめ

ニントゥアン第二原子力発電所の建設計画は、国際的な協力を背景に進められましたが、現地の住民の懸念や文化的背景が影響を与えています。建設中止の決定後も、地域住民の意見が求められる中での原発計画の今後が注目されます。

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