ネイビーワン

ネイビーワン：大統領が海軍機に搭乗する際の特別なコールサイン

ネイビーワン（Navy One）とは、アメリカ合衆国大統領がアメリカ海軍機に搭乗した際に使用される特別なコールサインです。これは、大統領の移動を安全かつ確実に識別するために用いられます。

過去の使用例

2022年現在、ネイビーワンのコールサインが使用されたのは、過去に一度だけです。2003年5月1日、ジョージ・W・ブッシュ大統領が、カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋に展開する原子力空母「エイブラハム・リンカーン」の艦上で行われたイラク戦争の任務完了演説に参加するため、第35対潜飛行隊(VS-35)所属のS-3バイキング対潜哨戒機（機体番号159387）に搭乗して移動しました。

この際、ヘリコプターではなく艦載機が用いられた背景には、ブッシュ大統領がパイロット出身であったこと（ただし、ブッシュ自身がネイビーワンを操縦したわけではありません）と、イラク戦争における主要戦闘の終結を意味するデモンストレーションという意図がありました。

この歴史的な飛行に使用されたS-3バイキングは、退役後の2003年7月17日から、フロリダ州ペンサコーラの国立海軍航空博物館で展示されています。これは、アメリカの歴史における重要な瞬間を象徴する機体として、一般公開されています。

ネイビーツー：副大統領が海軍機に搭乗する場合

アメリカ海軍機に副大統領が搭乗した場合のコールサインは、ネイビーツー (Navy Two) となります。このコールサインは、1980年にウォルター・モンデール副大統領がレークプラシッドオリンピックのアイスホッケー競技観戦のため、ニューヨークとレークプラシッドの往復にアメリカ海軍機を利用した際に使用されました。

まとめ

ネイビーワンは、アメリカ大統領が海軍機に搭乗する際に使用される特別なコールサインであり、国家の象徴としての意味合いも持ちます。過去に一度しか使用されていないという事実は、その希少性と重要性を際立たせています。また、副大統領が搭乗する際のネイビーツーも、同様の意義を持つコールサインとして知られています。

関連項目

* アメリカ合衆国大統領の輸送

もう一度検索