ネオプラン・スカイライナー

スカイライナー（Skyliner）について

スカイライナーはドイツのゴットロープ・アウヴェルター社が展開するネオプランブランドの2階建て観光バスです。1964年に創業者の次男であるコンラート・アウヴェルターが発表した「Do-Bus」という2階建てバスのコンセプトから始まりました。それ以前の2階建てバスは主に路線バス向けであり、大量輸送に特化していました。しかし、ネオプラン社は安定性向上を目的に低床ボディを実現するためのステアリング機構を開発し、1967年には観光バスとして正式販売を開始しました。これにより次第に企業イメージの向上にも寄与しています。

モデルの概要

2009年モデルのスカイライナーには2種類のサイズがあります。全長12.44メートルの「スカイライナーC」と、全長13.79メートルの「スカイライナーL」です。どちらも2階建てで、3軸モデルとなっており、エンジンにはMAN製の12,412cc直列6気筒コモンレール式ディーゼルターボエンジンを搭載し、出力は473馬力です。全幅2.55メートル、全高4.00メートルと大きなサイズのため、日本の道路法では特大車扱いとなり、公道を走行することは難しいため、日本国内には導入されていません。一方で、日本市場向けに開発された全長9メートルのモデルは「クラブライナー」として知られています。

日本における導入と影響

日本に初めてスカイライナーが登場したのは1979年のことです。大阪の中央交通がこのバスを輸入し、以降、多くの観光バス会社で2階建てバスの流行が起こりました。このブームにより、国内のバスメーカーも久しぶりに2階建てバスの開発を再開することとなりました。

1981年には東京都交通局が台東区の委託を受け、上野広小路 - 浅草雷門間の路線にスカイライナーを採用しました。その後、1983年には常磐交通がいわき - 郡山 - 会津若松線で運行する「スワン号」がスカイライナーを導入し、2階建てバスによる路線運行の可能性を探るという事態にも発展しました。

ブームが一段落する中でも、観光用バスとしての輸入は続き、1997年にはJRバス関東が夜行高速バス「ドリーム号」としてスカイライナーを導入しました。この際、独立3列シート仕様のスカイライナーが、多くのバス会社に導入され、都市間夜行ツアーバスとして運用されていきます。この3列シートは、従来の欧州バスには見られない特徴で、日本市場への適応性を示しています。

特異な例として、日の丸自動車興業が導入したスカイライナー3台は、2階部分をオープンバスに改造され、「スカイバス東京」として就役しました。このバスはかつて上野広小路 - 浅草雷門間で使用されていたもので、観光名所を巡るのに適した形になっています。

さらに、アート引越センターは1983年に導入した「ドリームサルーン・ナイス21」で、1階を荷物スペースとして利用し、2階に客室を設けることで、引越しと居住空間の同時輸送が可能なバスを実現しました。しかし、バリアフリーへの配慮がされておらず、後に代替されることになりました。

今日では、スカイライナーは観光バスとしての地位を確立し、魅力的なデザインと機能を備えたモデルとして、多くの人々に親しまれています。

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