ネクタイピン

ネクタイピンとは

ネクタイピンは、ネクタイをワイシャツに留めるための装身具です。日本では一般的に「ネクタイピン」や「タイピン」と呼ばれていますが、英語ではネクタイを挟んで固定するタイプを「タイ・クリップ(Tie clip)」、「タイ・バー(Tie bar)」、「タイ・クラスプ(Tie clasp)」などと呼びます。近年では日本でもこれらの呼び方が浸透しつつあります。

歴史と役割

かつてのネクタイは現在よりも薄く、乱れやすかったため、それを防ぐ目的でネクタイピンが作られました。現代ではネクタイの生地が厚くなり、実用性はやや薄れましたが、アクセサリーとしての役割が重視されています。20世紀初頭までは針で留めるタイピンが主流でしたが、第一次世界大戦後には現在広く使われているタイクリップが普及しました。そのため、タイピンはより伝統的なものとみなされ、英国王室のチャールズ皇太子などがモーニングコートにタイピンを使用しています。

ウェストコートやベスト、カーディガン、セーターなどを着用している場合はネクタイが自然に固定されるため、ネクタイピンを使わないこともあります。しかし、モーニングコートではウェストコートと共にタイピンが使用されることがあります。

弔事の際にネクタイピンの使用は避けるべきという意見もありますが、実際にはそのような決まりはありません。ネクタイがずれてしまう方がだらしなく見える場合もあります。

主な種類

ネクタイピンには様々な種類があります。以下に代表的なものを紹介します。

タイクリップ（タイスライダー、タイクラスプ）
バネの力でネクタイの大剣、小剣、シャツを挟んで留めるタイプです。一般的に「タイピン」と呼ばれることが多いのがこのタイプです。ネクタイピンを隠すように小剣に留めたり、ネクタイを浮かせたりして、より活動的に見せることも可能です。大型でネクタイを留める力が強いのが特徴です。バネのないタイプも存在します。

ショートクリップ
ナロータイ用に作られた小型のタイクリップです。タイクリップと同様に、ネクタイピンを隠すように小剣に留めることもあります。タイクリップに比べて小型なため、ネクタイを留める力は少し弱めです。バネのないタイプも存在します。

タイ・バー（ラペルピン）
針でネクタイを刺し、後ろの金具で留めるタイプです。主にラペルピンと呼ばれるのはこの種類です。カフリンクスとして付けられるものも存在します。針や留め具を見せる方法と隠す方法があります。

タイ・チェーン
鎖を回して留めるタイプです。

タイ・タック（タックピン、ラペルピン）
ピンバッジのようにネクタイに刺して使うタイプです。後ろに鎖が付いていて、その先の輪でシャツのボタンに引っ掛けます。カフリンクスとして使用できるものもあります。針や留め具を見せる方法と隠す方法があります。ラペルピンの一種です。

スティック・ピン
針状のピンを刺してネクタイを留める道具です。ピン先は安全のために金具で保護されています。ピンの反対側には装飾用のヘッドが付いています。礼装用のものは、ヘッドに宝石や真珠、ガラスなどが装飾されています。主にアスコットタイやクロスタイなどのネクタイを留めるために使用されます。

ネクタイピンのギャラリー

(画像は省略)

関連アイテム

ネクタイピンは、以下のアイテムと合わせて使用されることがあります。

ファッション
背広
服飾
ネクタイ
カラーピン
カフリンクス（セットで用いることが多い）
ボタンカバー
ピンズ
バッジ
略綬
スカーフクリップ
スカーフピン
* ストールピン

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