ネコノミ

ネコノミ (Ctenocephalides felis)

ネコノミは、ノミ目に属し、ヒトノミ科に分類される小さな昆虫です。主に猫や犬、さらにはアライグマといった小型の温血動物に寄生し、おもにその体毛や皮膚に刺さることで血液を吸います。その体長はオスで約2ミリメートル、メスは約3ミリメートルに達します。特に猫に寄生することが多く、隣接する場所を通過する小動物に対する感応能力も高いのが特徴です。

成虫は、非常に短い時間で宿主に取り付き、餌となる血液を吸うために自ら跳躍します。跳躍の高さは約30センチメートルにも及び、二酸化炭素や体温などの感知により、宿主を見つけることができます。成虫のメスは、一日に約10個の卵を生むことができ、成長期間中に生涯で約1000個の卵を産むことが知られています。産卵された卵は、宿主が過ごす場所の地表に落下し、そこで幼虫が孵化します。

幼虫は約2ミリメートルの芋虫状で、日常的に塵やフケなどの有機物を食べて成長します。成虫になるためには、蛹の状態を経て完全変態を行います。この際、幼虫が成長する環境は非常に重要で、適切な餌があれば短時間で成虫へと進化することが可能です。

また、ネコノミは「猫ひっかき病」の原因となるバルトネラ・ヘンセラ菌の保菌者としても知られています。ネコが体をグルーミングする際に、ネコノミの糞便を舐め取ることで、この細菌に感染するリスクが高まります。このように、ネコノミは単なる寄生虫ではなく、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、出現を防ぐための対策が重要です。

参考情報

• - 脚注

• - 参考文献
• - 外部リンク

- Cat flea (insect) - ブリタニカ百科事典
- Ctenocephalides felis - J-GLOBAL
- Ctenocephalides felis - National Center for Biotechnology Information
- 『ネコノミ』 - コトバンク

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