ネバーエンディング・ストーリー 第2章

ネバーエンディング・ストーリー 第2章

『ネバーエンディング・ストーリー 第2章』（原題: The NeverEnding Story II: The Next Chapter）は、1990年に公開されたドイツとアメリカ合衆国の合作によるファンタジー映画です。監督はジョージ・T・ミラーが務め、主要キャストにはジョナサン・ブランディス、ケニー・モリソン、アレクサンドラ・ジョネスらが名を連ねています。本作は1984年の映画『ネバーエンディング・ストーリー』の続編であり、ミヒャエル・エンデの原作小説『はてしない物語』の後半部分から着想を得つつ、映画独自の要素も加えて物語が展開されます。

製作

プロデューサーのディーター・ガイスラーは、原作小説『はてしない物語』の物語が非常に豊富であることから、当初より三部作として映画化することを構想していました。しかし、前作の製作内容に不満を抱いていた原作者のミヒャエル・エンデは、ガイスラーおよび製作会社に対し、続編以降の映画化について発言権を求める訴訟を起こしました。この法的な問題により、続編の製作は一時的に延期されることとなりました。

法的な問題が解決した後、ガイスラーはコンセプチュアル・アーティストのルートヴィヒ・アンゲラーと共に、約1年間をプリプロダクションに費やしました。これは、限られた予算の中で映画のデザインや技術的な課題を解決し、前作で生じた視覚効果に関する問題を改善することを目的としていました。脚本家にはカリン・ハワードが起用され、彼女は原作小説の後半部のエピソードを基に多くのインスピレーションを得て執筆を進めました。最終的な脚本に至るまで、ハワードはスタジオに14本もの草稿を提出したとされています。

製作における視覚効果の多用を考慮し、ガイスラーは監督をプリプロダクションの初期段階から参加させると疲弊してしまうと考え、プリプロダクション完了後に監督を起用する方針を採りました。この結果、前作のファンであったジョージ・T・ミラーが監督に抜擢されました。キャスティングに関しては、前作の主要子役たちが成長し、同じ役を演じることが難しくなっていたため、600人以上の子供たちを対象とした大規模なオーディションが実施されました。

視覚効果の面では、前作で用いられたブルースクリーン合成やスケールモデルのクリーチャーに代わり、本作では実物大の模型やマットペイントが主に使用されました。主要な撮影は1990年初頭、ミュンヘン近郊のバイエルン・フィルムにおいて行われました。当初の計画では3つのステージを使用し、第1班と第2班がそれぞれのステージで撮影を行い、残りのステージでエフェクト作業を進める予定でした。しかし、スタジオ側が直前になってステージの建設を取りやめたため、第1班と第2班はバイエルン・フィルムの第7ステージで同時に撮影を行うことになりました。

撮影においては、労働規則により子役の撮影時間に制限があったため、ミラー監督は撮影前のリハーサルを1回のみとし、全てのシーンを3台のカメラで同時撮影するという手法を採用しました。これは撮影スケジュールの遅延を防ぐための工夫でしたが、結果として撮影が予想よりも早く進行したため、後のシーンに必要なエフェクト作業が追いつかないという予期せぬ事態も発生しました。

評価と興行成績

映画批評サイトRotten Tomatoesでは、7件の批評に基づき支持率14%、平均評価3.7/10という厳しい評価になっています。ワシントン・ポストのリチャード・ハリントンは、前作のような特別な効果がほとんど見られず、物語の進行も単調であると指摘し、シルバー・シティは「ダイエット版オズ」、魔女の城は「実存よりも示唆に留まる」存在、一部の新しいクリーチャーは「深夜のコメディスケッチのようだ」と批評しました。一方、デザレット・ニュースに寄稿したクリス・ヒックスは、前作が家族全員で楽しめたのに対し、本作は主に子供向けの作品になっていると評しています。

興行成績としては、アメリカ合衆国では約1737万ドルの興行収入を記録しました。ドイツ国内ではアメリカ以上の成功を収め、観客動員数は323万1527人（年間7位）を記録し、同年に成功したドイツ映画の一つとなりました。

もう一度検索