ネリー・フォックス

ジェイコブ・ネルソン・フォックス（Jacob Nelson "Nellie" Fox、1927年12月25日 - 1975年12月1日）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身のプロ[[野球選手]]で、ポジションは二塁手でした。右投右打の選手で、その優れた守備力と打撃力で知られています。

1944年、フォックスはフィラデルフィア・アスレチックスと契約し、19歳でメジャーデビューを果たしました。しかし、アスレチックスでは出場機会に恵まれず、1949年にシカゴ・ホワイトソックスへ移籍しました。この移籍が、フォックスのキャリアにとって大きな転換点となりました。

ホワイトソックスでは、フォックスはすぐに正二塁手として活躍し、その卓越した守備力でチームを支えました。毎シーズンほぼフル出場を果たし、打撃面でも常にリーグの上位にランクインする活躍を見せました。首位打者のタイトルこそ獲得できなかったものの、安打数ではリーグ最多を4度も記録し、1954年から1957年までの4年間は、毎年100得点以上をマークしました。また、1957年に創設されたゴールドグラブ賞の初代受賞者となり、その後も2度同賞を獲得しました。

1959年には、ホワイトソックスはアル・ロペス監督のもと、40年ぶりにアメリカンリーグを制覇しました。この年、フォックスは打率.306、191安打を記録し、自身2度目のゴールドグラブ賞、そしてリーグ最優秀選手にも選ばれました。ワールドシリーズではロサンゼルス・ドジャースに敗れたものの、フォックスは6試合で24打数9安打、打率.375という素晴らしい成績を残しました。当時、フォックスとルイス・アパリシオは二遊間コンビとして活躍し、1959年と1960年には2年連続でゴールドグラブ賞を受賞しました。

フォックスは1963年までホワイトソックスに在籍した後、ヒューストン・コルト45s（現在のアストロズ）へ移籍しました。1964年シーズン後に一度放出されましたが、翌年5月に再契約し、1965年にアストロズで現役を引退しました。

引退後は、1967年までアストロズでコーチを務め、その後1968年から1972年までワシントン・セネターズのコーチを務めました。しかし、1973年に皮膚がんに罹患し、1975年12月1日に47歳という若さでこの世を去りました。

フォックスの死後、古巣ホワイトソックスは彼の功績を称え、1976年に在籍時の背番号「2」を永久欠番としました。また、1997年にはベテランズ委員会の選考によりアメリカ野球殿堂入りを果たし、2006年にはホワイトソックスの本拠地であるUSセルラー・フィールドに、フォックスの等身大の銅像が建てられました。

フォックスは、二塁守備において、その俊敏な動きから「キツネ」と例えられました。併殺プレーを重視し、「三塁手や遊撃手からの送球を受けた際に、一塁ベースを見ずに土の部分を見て送球することで、タイムロスを防ぎ、正確な送球ができる」と述べていました。

主な記録・表彰

シーズンMVP：1959年
ゴールドグラブ賞：3回（1957年、1959年、1960年）
通算併殺数（二塁手）：1619（アメリカンリーグ記録）
ワールドシリーズ出場：1回（1959年）
オールスターゲーム選出：15回（1951年 - 1961年、1963年）

フォックスは、その卓越した守備力と打撃力、そしてチームへの貢献から、多くのファンに愛された名選手でした。

出典・外部リンク

選手の通算成績と情報：Baseball-Reference, Fangraphs, The Baseball Cube, Baseball-Reference (Register)
Baseballhalloffame.org（英語） – アメリカ野球殿堂（National Baseball Hall of Fame）による紹介
年度別成績 (Retrosheet)

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