ノグルミ

ノグルミ（野胡桃）について

ノグルミ（学名: Platycarya strobilacea）は、クルミ科ノグルミ属に属する落葉高木です。主に日本、中国中南部、台湾、朝鮮半島に自生しており、特に本州の東海地方、西四国、九州でよく見かけることができます。日当たりの良い山野を好むため、自然の中で育っている姿を観察することができる樹木の一つです。

特徴

ノグルミは高木であり、樹高は10から20メートルに達することがあり、幹の直径は約60センチメートルになります。樹皮は黒褐色で、縦に細かく裂けているのが特徴です。若い一年枝は比較的太く、多くの皮目が見受けられ、毛がほとんどないか、まばらに毛が残っています。

葉は互生し、奇数羽状の複葉を形作っており、花期は6月頃に訪れます。ノグルミは風媒花であり、花粉は風によって運ばれます。雌雄同株で、同じ木に雄花と雌花が存在します。

果実は特徴的で、革質の硬い鱗片に覆われ、長楕円形でハリネズミのような形状をしています。この果実はトゲトゲしており、触れると痛みを伴い、食用には適していません。冬でも枝の先には果穂が残るため、見た目に印象的な姿を保ちます。冬芽は卵形で、短毛があり、芽鱗の上部は黄褐色を帯びています。枝先の頂芽は側芽よりも大きく、側芽は互生の配置になっています。葉痕は心形または腎形であり、維管束痕が三つつく特徴があります。

人間との関わり

ノグルミは建築材や器具材として重宝される木材で、特にその堅牢さから様々な用途があります。また、樹皮から抽出されたタンニンは、皮なめしに使われることがあります。加えて、この木を燃やすと独特の芳香が広がるため、中国地方や九州地方では伝統的に大晦日や節分に焚かれて、福の神を呼ぶ風習が残っています。

歴史的には、樹皮や枝葉を砕いて魚毒に用いることもありました。これらの利用法は、ノグルミが人々の生活の中で多くの機能を果たしてきたことを示しています。

このようにノグルミは、自然環境において重要な役割を持つだけでなく、人間の生活とも密接に結びついており、その特性や利用法は地域によって多岐にわたります。自然の中で見かけた際には、その魅力を感じ味わってみてほしいです。

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