ノラ・ジャコヴァ

ノラ・ジャコヴァ：コソボの誇り、柔道界の金字塔

ノラ・ジャコヴァ（Nora Gjakova）は、1992年8月17日生まれ、コソボ共和国のペヤ出身の女子柔道選手です。主に57kg級で活躍し、数々の国際大会で輝かしい成績を収めています。特に、2021年の東京オリンピックでの金メダル獲得は、コソボ国民にとって大きな喜びであり、彼女自身も国民的英雄として称えられています。弟のアキル・ジャコヴァも73kg級の柔道選手として活躍しており、姉弟揃って国際舞台でその名を轟かせています。

幼少期から柔道との出会い

ノラの柔道人生は、父親が子供たちに格闘技を習わせたいと考えたことがきっかけでした。10歳の時、弟と共に、後にオリンピック金メダリストとなるマイリンダ・ケルメンディを指導していたドリトン・クカのIppon Judo Clubで柔道を始めました。ケルメンディはコソボ柔道界のパイオニア的存在であり、ノラは同じクラブでトレーニングを積む中で、その背中を追いかけるように実力を磨いていきました。

ジュニア時代から着実な成長

ジュニア時代から、ノラはヨーロッパジュニアカップなどで優勝を重ね、その才能を発揮しました。2011年のプレオリンピック大会では3位に入賞するなど、着実に力をつけていきました。2012年にはスイス国際柔道大会でも優勝を果たしましたが、ロンドンオリンピックへの出場は、世界ランキングの不足により叶いませんでした。

国際舞台での活躍

その後も、グランプリ・アブダビで3位に入るなど、国際大会で安定した成績を残しました。2013年の世界選手権では、3回戦で元世界2位の強豪テルマ・モンテイロ（ポルトガル）を破るも、準々決勝で敗退。敗者復活戦でも敗れましたが、7位入賞を果たしました。2015年には、ヨーロッパ競技大会で3位となり、コソボの選手として総合競技大会で初のメダルを獲得するという快挙を達成しました。2016年のヨーロッパ選手権でも3位に入賞するなど、着実に実績を積み重ねていきました。

東京オリンピックでの金メダル

2021年、ノラは東京オリンピックに出場し、ついに金メダルを獲得しました。準決勝では、過去に一度も勝てなかった芳田司（日本）に勝利。決勝では、サラ＝レオニー・シジク（フランス）に反則勝ちし、コソボに2つ目の金メダルをもたらしました。この勝利は、コソボ国民にとって大きな喜びであり、ノラは一躍国民的英雄となりました。

オリンピック後の挑戦

オリンピック後も、ノラは柔道家として歩みを止めません。2022年のグランドスラム・アブダビで2位、2023年のグランドスラム・バクーで優勝するなど、依然として世界のトップレベルで活躍しています。2024年のパリオリンピックでは、弟と共に旗手を務めましたが、初戦で敗退。その後、階級を63kg級に上げ、新たな挑戦を続けています。

主な戦績（57kg級）

2021年 東京オリンピック 優勝
2018年 ヨーロッパ選手権 優勝
* 2015年 ヨーロッパ競技大会 3位

現在のランキング

IJF（国際柔道連盟）世界ランキングは、5385ポイントで3位（2025年2月3日現在）です。

ノラ・ジャコヴァは、コソボの柔道界を牽引する存在であると同時に、世界中の柔道ファンから尊敬を集めるトップアスリートです。彼女の今後の活躍から目が離せません。

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