ノルウェー・エアシャトル

ノルウェー・エアシャトル（Norwegian Air Shuttle ASA）、通称ノルウェージャン（Norwegian）は、ノルウェーを代表する格安航空会社です。スカンジナビア地域においては、スカンジナビア航空に次ぐ規模を誇り、ヨーロッパ全体でもウィズエアー、イージージェット、ライアンエアと並ぶ、主要な格安航空会社の一角を担っています。

徹底的な効率化

ノルウェージャンは、徹底的な効率化により低価格を実現しています。機内食、事前座席指定、受託手荷物といったサービスはすべて有料となっており、コスト削減に努めています。また、着陸直前には機内清掃のため、ゴミの回収を行うなど、運営コストを徹底的に抑えることで、格安運賃を提供しています。

マイレージサービスと機体デザイン

マイレージサービスとして「Norwegian Reward」を運営していますが、ノルウェー国内線搭乗に対するポイント付与は、同国政府の命令により実施されていません。特徴的なのは、機体に北欧諸国の歴史上の著名人の肖像が描かれていることです。これは、同社のアイデンティティを象徴するデザインとなっています。

航空券予約システム

航空券の座席予約システム（CRS）には、アマデウスITグループが運営するアマデウスを採用しています。

経営破綻と再建

2020年11月18日、ノルウェージャンはアイルランドの裁判所に破産保護を申請し、事実上の経営破綻となりました。しかし、2021年5月18日には再建計画が承認され、長距離路線を運航していたボーイング787型機をすべて退役させ、保有機材をボーイング737-800型機を中心に再構成しました。2021年には50機、2022年には70機へと機材を増やす計画で、需要回復を見据えた再建を進めています。

グループ会社の変遷

かつては、長距離国際線を運航するノルウェージャン・ロング・ホール、ロンドン・ガトウィック空港を拠点とするノルウェージャン・エア UK、アイルランドに本社を置いていたノルウェージャン・エア・インターナショナル、そしてノルウェージャン・エア・アルゼンティナなど、複数のグループ会社が存在しましたが、2021年までに消滅しました。現在は、ノルウェージャン・エア・スウェーデンが残っています。

保有機材

2019年4月時点では、ボーイング737-800型機を47機保有していました。グループ全体では165機を運航していましたが、内訳はボーイング787型機が33機、ボーイング737-800型機が118機、ボーイング737 MAX 8が18機でした。ボーイング787型機は、コロナ禍の2021年1月に売却されました。初期導入分では、同型機のバッテリートラブルによる飛行禁止措置のため、納入が遅れ、就航までの期間はポルトガルのハイフライからエアバスA340-300を短期リースして運航していました。

発注機材

2012年1月25日には、ボーイング737MAX8を100機（オプション100機）、エアバスA320neoを100機（オプション50機）発注しました。同時にボーイング737-800型機22機も発注契約を結んでおり、順次運航機材に追加されています。

運航状況

度重なる運航キャンセルも問題となっていました。2016年6月には、全体の約30%もの便がキャンセルされました。2017年にも常態的に発生しており、会社側はボーイング737MAXの納入遅延とパイロット不足を理由に挙げています。

再建計画を経て、ノルウェージャンは機材をボーイング737に絞り、新たなスタートを切っています。低価格路線を維持しつつ、安定した運航が求められています。

もう一度検索