ノルウェー時間

ノルウェーでは、中央ヨーロッパ時間（CET、UTC+1）が標準時として採用されており、夏時間には中央ヨーロッパ夏時間（CEST、UTC+2）が用いられています。夏時間への切り替えは、3月の最終日曜日の午前2時に行われ、10月の最終日曜日の午前3時に終了します。このスケジュールは、ヨーロッパの多くの国々と同様です。

地理と時間帯の複雑さ

ノルウェー本土は東経4度から32度の範囲に位置しており、標準時の基準となる東経15度線はヌールラン県を通過します。しかし、地理的な位置関係と実際に使用される時間帯の間には興味深いずれが存在します。例えば、国土の北東部やスヴァールバル諸島の東部は、本来UTC+2の時間帯に属しますが、ノルウェー全土でCETが適用されています。また、南西部に位置するブーベ島はUTC+0の時間帯に相当しますが、同様にCETを採用しています。この結果、ブーベ島は南半球にありながら、夏時間中に時計が1時間進むという、通常とは逆の現象が見られます。

さらに、ヌールラン県が北極圏に位置するため、スヴァールバル諸島やノルウェー北部の地域では、夏至の頃には一日中太陽が沈まない白夜が、冬至の頃には一日中太陽が昇らない極夜が発生します。

南極大陸にあるノルウェーの観測基地（トロル基地、トール基地）では、グリニッジ標準時（UTC+0）が使用されており、これは本国の時間帯とは異なります。

歴史的な経緯

ノルウェーにおける標準時の導入は1895年に遡ります。夏時間制度は1916年に初めて導入され、その後、幾度かの変更を経て現在に至っています。初期には5月から9月にかけて実施されましたが、1940年から1942年にかけては通年で夏時間が採用されました。その後、1959年から1965年、1980年から1995年と中断を挟みながらも、制度が維持されてきました。1996年以降は3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までが夏時間として定着しています。

興味深いのは、ノルウェーは欧州連合（EU）に加盟していないにもかかわらず、EU諸国と足並みを揃えて夏時間を実施している点です。

IANA time zone database

IANA time zone databaseでは、ノルウェーの標準時は「Europe/Oslo」として登録されています。このエントリーは、ISO 3166-1 alpha-2の国コード「NO」を持つ領域を指します。また、スヴァールバル諸島に関しても別途エントリーが存在します。

このように、ノルウェーの標準時と夏時間は、その地理的な位置、歴史的な変遷、そして国際的な時間帯データベースとの関係において、複雑で興味深い特徴を有しています。

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