ノルウェー自由党

ノルウェー自由党について

ノルウェー自由党（Venstre）は、1884年に設立されたノルウェー国内で最も古い政党であり、社会自由主義を掲げる中道政党です。現在の党首は2020年に就任したグリ・メルビーであり、同党は自由主義インターナショナルおよび欧州自由民主改革党に加盟しています。最近の2021年の総選挙では、前回と同じ8議席を獲得し、安定した議席を維持しています。

党名の由来と政治的立ち位置

党名の「ヴェンスタ」はノルウェー語で「左派」を意味しますが、この党は実際には中道政党であることを宣言しています。奇妙なことに、現状では中央党が左派連立政権の与党であり、自由党が「非社会主義」の野党として位置付けられているため、左派よりもそこから左に位置するという逆転現象が見られます。設立当初、自由党は議会主義を擁護する政党として誕生し、これを支持した党員たちの多くが議会内で「左側」に位置していたことに由来しています。

歴史的背景

1884年、ノルウェーは議会主義導入の議論が盛んであり、本党はその中で登場しました。議会主義を拒否する保守派はその後、保守党を結成しました。この政党が成立した際には約束された改革を遂行し、複数の首相を輩出しましたが、時が経つにつれ、特に労働党の台頭により支持を失っていきました。

1915年には自由党が議会の第一党となるものの、その後の1920年には新たに設立された農民党（現在の中央党）やキリスト教民主党という政党が党勢を脅かします。第二次世界大戦後も連立政権に参加し続けましたが、支持基盤の縮小によって小さな政党へと陥った時期もありました。特に自由人民党との分裂、再統合による議席減少、そして選挙による党勢の変動が著しく、2005年には一時的に好調を誇っていましたが、2009年にはさらに議席が減少する結果となりました。

政策と理念

この党の政策には様々な側面がありますが、近年の選挙では環境問題や教育、行政のスリム化等に焦点を当ててキャンペーンを展開しています。外部からの労働者の受け入れ増加、ノルウェー国教会の廃止なども提唱しており、地方分権に対する強い姿勢を見せています。また、欧州連合への加盟には一貫して反対し、欧州経済領域への残留を主張しています。特に2007年には、国内の政党の中で初めてファイル共有の合法化に関する見解を示したことでも注目を浴びました。

自由党は歴史的に中道右派及び中道連立政権の一員としての役割を果たしてきたものの、近年の政治情勢の変化により、新たな支持基盤を形成することが求められています。

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