ノルデア銀行

ノルデア銀行：北欧を代表する金融グループの歩み

ノルデア[銀行]]は、フィンランドのヘルシンキに本社を置く、北欧最大の資産を誇る金融グループです。フィンランド国内では最大手の銀行であり、世界19か国、1400以上の支店を展開するグローバルな金融機関として知られています。特に、ネットバンキングにおいては500万人以上の顧客を抱える大手であり、その事業規模は北欧のみならず世界的な影響力を持っています。ナスダック・ヘルシンキ、ナスダック・ストックホルム、ナスダック・コペンハーゲンにも上場しており、フィンランドの保険会社サンポが最大の[[株主]となっています。

設立と合併の歴史

ノルデア銀行は、北欧諸国の複数の金融機関の合併によって誕生しました。その歴史は、19世紀半ばにさかのぼります。フィンランドでは、1842年設立のSuomen Yhdyspankkiと1889年設立のKansallis-Osake-Pankkiが1995年に合併し、メリタ銀行が設立されました。一方、スウェーデンでは、1884年設立のPostbankenと1923年設立のSveriges Kreditbankの合併を経て、1974年にPK-banken（Post och Kreditbanken）が設立され、1990年にはノルドバンケンを買収、社名をノルドバンケンに変更しました。

1990年代にはバルト三国への進出も開始し、エストニアに支店を開設、ラトビア銀行の単独株主となるなど、事業領域を積極的に拡大しました。また、早くからネットバンキングに着目し、1990年代末には既に100万人以上の顧客を獲得していました。1997年にはメリタ銀行とノルドバンケンが合併してメリタノルドバンケンとなり、2000年にはデンマークのウニダンマルクと合併。さらにノルウェーのクリスチャニア銀行を買収し、2001年に「ノルデア銀行」（NordicとIdeasを組み合わせた造語）と改称し、スウェーデンに本社を置きました。同年にはポーランドのBWP-Unibankとの合併も実現しています。

設立後の発展と近年の動向

2002年にはポーランドのLG Petro Bankを買収、ネットバンキング顧客数は330万人を突破しました。合併による組織統合を進める中で、2003年にはスウェーデンを中心とした機構改革を実施しました。その後も成長を続け、2004年にはネットバンキング顧客数が400万人を超え、世界最大のネット銀行となりました。同年にはリトアニアのKredyt Bankも買収しています。2000年代前半にはアセットマネジメント業務を拡充し、2008年にはバルト三国でも同業務を開始しました。同年、デンマークのRoskilde Bankから支店を買収しています。

2007年には、被害総額800万スウェーデン・クローナに上るフィッシング詐欺の被害に遭いましたが、全被害者への弁償と新たなセキュリティシステムの導入によって対応しました。世界金融危機に見舞われた2007年以降も、ノルデア銀行はマーケットシェアを拡大し、北欧の金融機関の中で最も高い株価上昇を記録しました。2009年にはデンマークのFionia Bankを買収、2010年代にはモバイルバンキングの顧客数が急速に増加しました。2015年には、窓口での現金取引を段階的に廃止することを発表、デジタル化への移行を加速させています。2018年にはロボットによる業務の自動化も開始されました。

2016年にはオランダのABNアムロ銀行との合併が検討されましたが、オランダ政府の介入により失敗に終わりました。スウェーデン政府による銀行税引き上げに反対し、2017年にフィンランドへの本社移転を発表、2018年10月1日付でヘルシンキに移転しました。2019年にはノルウェーのGjensidige Bankを買収しました。

まとめ

ノルデア銀行は、数々の合併と積極的な事業展開を通じて、北欧を代表する金融グループへと成長を遂げました。ネットバンキングでの高いシェア、デジタル化への取り組み、そしてグローバルな事業展開は、今後の金融業界における同社の存在感を示すものです。しかしながら、フィッシング詐欺や合併交渉の失敗といった経験も踏まえ、更なる発展に向けて、リスク管理と戦略的な意思決定が求められます。今後も、北欧経済のみならず、世界経済に大きな影響を与える存在として注目を集め続けるでしょう。

もう一度検索