ノーサイド (曲)
「ノーサイド」は、松任谷由実が作詞・作曲し、松任谷正隆が編曲を手掛けた楽曲です。この曲は、まず麗美のアルバム『REIMY』(1984年1月21日発売)に収録され、その後、松任谷由実自身のアルバム『NO SIDE』(同年12月1日発売)でセルフカバーされました。
曲名の「ノーサイド」とは、ラグビーの試合終了を意味する言葉で、特にラグビーユニオンで使用されます。この曲は、その名の通り、ラグビーの試合が終わった直後の情景をスローテンポで歌い上げています。試合後の選手たちの感情や、試合への想いが込められた、感動的なバラードです。
この曲は元々、松任谷正隆がプロデュースしていた麗美への提供曲として制作されました。当初、『REIMY』に収録されたバージョンでは、歌詞の一部分が「2月」となっていましたが、発表当時の1984年2月には、日本のラグビーは早稲田・慶應・明治のOB戦程度しか開催されておらず、シーズンは1月15日の日本選手権で終了していました。このため、松任谷由実がセルフカバーする際に、歌詞を「冬の日」に変更しました。
この曲が生まれたきっかけは、複数のメディアで、1984年1月7日に行われた第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会決勝、天理対大分舞鶴戦であるとされています。この試合は、後半ロスタイムに大分舞鶴がトライを決め、18対16と点差を詰めました。同点に追いつき両校優勝となるはずのコンバージョンキックを、主将の福浦孝二選手が左に外し、その直後にノーサイドの笛が鳴りました。
福浦選手は、30年後のインタビューで、「間違いなく入る」と自信があったものの、左足をグラウンドについた瞬間、足を取られて腰砕けになり、キックを外してしまったと明かしています。そして、「あのキックで有名になり、それにふさわしい生き方をしなければいけないと思ってきた」と語っています。
松任谷由実は、2010年の朝日新聞の取材で、この試合の光景をテレビで見ており、「どんなに悔やんでも、高校生が部活を辞めたら、次のシーズンは、自分と同じゼッケンをつけて駆けてゆく誰かを見ていることになる。その情景が思い浮かんで、ぐっと来てしまいました」と述べています。この試合の光景が、「ノーサイド」の着想につながったと語っています。一方で、歌詞には「長いリーグ戦締めくくるキック」というフレーズがあることから、当時早稲田大学のSOだった本城和彦選手を指して、「ノーサイド」誕生のきっかけの一つとする見方もあります。また、この曲が収録された『REIMY』が試合からわずか2週間後の1月21日に発売されたことから、曲は試合前に完成していたという指摘もあります。
[2013年]]12月1日、改修工事前の国立霞ヶ丘競技場で行われた最後の早明戦]の試合終了後、[[松任谷由実が出演しました。『〜ノーサイド・夏〜空耳のホイッスル』の歌詞朗読に続き、松任谷正隆のピアノ演奏をバックに「ノーサイド」を披露しました。
2019年12月31日放送の『第70回NHK紅白歌合戦』で、松任谷由実が発表から35年を経て初めてテレビでこの曲を歌唱しました。この日は、日本で開催されたラグビーワールドカップ2019に出場した日本代表のメンバーの前で披露され、歌唱後には日本代表の田中史朗選手が感極まって涙声になり、松任谷も「この歌に、こんなチャンスを与えてくれてありがとう！トップリーグ見に行きます！」とコメントしました。
「ノーサイド」は、TBSの『ルージュの伝言』(第20話、主演・大島智子)と、1991年のTBS系『ユーミン・ドラマブックス』(出演：浅野ゆう子、明石家さんま)でドラマ化されています。両作品とも脚本は君塚良一が担当しました。
この曲は、以下のCMや番組のタイアップとして使用されました。
富士フイルム・ビデオテープスーパーHG HiFi CMソング(1985年)
TBS 日曜劇場『ノーサイド・ゲーム 特別編』最終夜 挿入歌(2020年5月24日)
テレビ朝日『友情〜平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」〜』主題歌(2023年11月11日)
「ノーサイド」は、多くのアーティストによってカバーされています。主なカバーは以下の通りです。
A.S.A.P.(1990年) - アルバム『Boy Friends Girl Friends』収録
Fonogenico(2006年) - シングル「Reason」c/wに収録
キンモクセイ(2007年) - カバーアルバム『さくら』収録
竹井詩織里(2007年) - ミニアルバム『documentary』収録
2008年'>[高杉さと美] - アルバム『garden』収録
2010年'>[コトリンゴ] - カバーアルバム『picnic album 1』収録
田中美里(2013年) - J SPORTS ラグビー中継 エンディングテーマ
2013年'>[稲垣潤一] - カバーアルバム『男と女4』収録。戸田恵子とのデュエット
2016年'>[麻倉未稀] - 35周年アルバム『Voice of Power』収録
2017年'>[瀧川ありさ] - 後述
2019年'>[May J.|May_J.] - 大分市公式動画チャンネル「いいやん！大分」内「大分ラグビーメモリアル」
原本玲子「The Last Game〜もうひとつのノーサイド」(1999年) - シングル「The Last Game〜もうひとつのノーサイド」に収録。テレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』エンディングテーマ
2017年、瀧川ありさによってカバーされ、「ONE FOR YOU」との両A面シングル『ノーサイド/ONE FOR YOU』としてSME Recordsから発売されました。瀧川にとって6枚目のシングルとなります。
「ノーサイド」は、瀧川にとって初めてのカバー曲です。両A面でカップリングされた「ONE FOR YOU」は瀧川が書き下ろした自作曲で、進研ゼミ高校講座の「進級応援ソング」として、同講座受講会員の専用アプリ「サクッとスタディ」限定でミュージックビデオが先行公開されました。
通常盤
1. ノーサイド
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：Saku・瀧川ありさ
テレビアニメ『ALL OUT!!』エンディングテーマ
2. ONE FOR YOU
作詞：瀧川ありさ、作曲・編曲：瀧川ありさ・渡辺拓也
進研ゼミ高校講座 進級応援ソング
3. SUNDAY
作詞・作曲：瀧川ありさ、編曲：瀧川ありさ・渡辺拓也
4. ノーサイド -Instrumental-
5. ONE FOR YOU -Instrumental-
期間生産限定盤
1. ノーサイド
2. ONE FOR YOU
3. SUNDAY
4. ノーサイド -Instrumental-
5. ONE FOR YOU -Instrumental-
6. DVD
* [ノーサイド]
音楽性
曲名の「ノーサイド」とは、ラグビーの試合終了を意味する言葉で、特にラグビーユニオンで使用されます。この曲は、その名の通り、ラグビーの試合が終わった直後の情景をスローテンポで歌い上げています。試合後の選手たちの感情や、試合への想いが込められた、感動的なバラードです。
制作の背景
この曲は元々、松任谷正隆がプロデュースしていた麗美への提供曲として制作されました。当初、『REIMY』に収録されたバージョンでは、歌詞の一部分が「2月」となっていましたが、発表当時の1984年2月には、日本のラグビーは早稲田・慶應・明治のOB戦程度しか開催されておらず、シーズンは1月15日の日本選手権で終了していました。このため、松任谷由実がセルフカバーする際に、歌詞を「冬の日」に変更しました。
この曲が生まれたきっかけは、複数のメディアで、1984年1月7日に行われた第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会決勝、天理対大分舞鶴戦であるとされています。この試合は、後半ロスタイムに大分舞鶴がトライを決め、18対16と点差を詰めました。同点に追いつき両校優勝となるはずのコンバージョンキックを、主将の福浦孝二選手が左に外し、その直後にノーサイドの笛が鳴りました。
福浦選手は、30年後のインタビューで、「間違いなく入る」と自信があったものの、左足をグラウンドについた瞬間、足を取られて腰砕けになり、キックを外してしまったと明かしています。そして、「あのキックで有名になり、それにふさわしい生き方をしなければいけないと思ってきた」と語っています。
松任谷由実は、2010年の朝日新聞の取材で、この試合の光景をテレビで見ており、「どんなに悔やんでも、高校生が部活を辞めたら、次のシーズンは、自分と同じゼッケンをつけて駆けてゆく誰かを見ていることになる。その情景が思い浮かんで、ぐっと来てしまいました」と述べています。この試合の光景が、「ノーサイド」の着想につながったと語っています。一方で、歌詞には「長いリーグ戦締めくくるキック」というフレーズがあることから、当時早稲田大学のSOだった本城和彦選手を指して、「ノーサイド」誕生のきっかけの一つとする見方もあります。また、この曲が収録された『REIMY』が試合からわずか2週間後の1月21日に発売されたことから、曲は試合前に完成していたという指摘もあります。
ラグビーの試合会場での披露
[2013年]]12月1日、改修工事前の国立霞ヶ丘競技場で行われた最後の早明戦]の試合終了後、[[松任谷由実が出演しました。『〜ノーサイド・夏〜空耳のホイッスル』の歌詞朗読に続き、松任谷正隆のピアノ演奏をバックに「ノーサイド」を披露しました。
紅白歌合戦での披露
2019年12月31日放送の『第70回NHK紅白歌合戦』で、松任谷由実が発表から35年を経て初めてテレビでこの曲を歌唱しました。この日は、日本で開催されたラグビーワールドカップ2019に出場した日本代表のメンバーの前で披露され、歌唱後には日本代表の田中史朗選手が感極まって涙声になり、松任谷も「この歌に、こんなチャンスを与えてくれてありがとう！トップリーグ見に行きます！」とコメントしました。
ドラマ化
「ノーサイド」は、TBSの『ルージュの伝言』(第20話、主演・大島智子)と、1991年のTBS系『ユーミン・ドラマブックス』(出演：浅野ゆう子、明石家さんま)でドラマ化されています。両作品とも脚本は君塚良一が担当しました。
タイアップ
この曲は、以下のCMや番組のタイアップとして使用されました。
富士フイルム・ビデオテープスーパーHG HiFi CMソング(1985年)
TBS 日曜劇場『ノーサイド・ゲーム 特別編』最終夜 挿入歌(2020年5月24日)
テレビ朝日『友情〜平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」〜』主題歌(2023年11月11日)
カバー
「ノーサイド」は、多くのアーティストによってカバーされています。主なカバーは以下の通りです。
A.S.A.P.(1990年) - アルバム『Boy Friends Girl Friends』収録
Fonogenico(2006年) - シングル「Reason」c/wに収録
キンモクセイ(2007年) - カバーアルバム『さくら』収録
竹井詩織里(2007年) - ミニアルバム『documentary』収録
2008年'>[高杉さと美] - アルバム『garden』収録
2010年'>[コトリンゴ] - カバーアルバム『picnic album 1』収録
田中美里(2013年) - J SPORTS ラグビー中継 エンディングテーマ
2013年'>[稲垣潤一] - カバーアルバム『男と女4』収録。戸田恵子とのデュエット
2016年'>[麻倉未稀] - 35周年アルバム『Voice of Power』収録
2017年'>[瀧川ありさ] - 後述
2019年'>[May J.|May_J.] - 大分市公式動画チャンネル「いいやん！大分」内「大分ラグビーメモリアル」
サンプリング
原本玲子「The Last Game〜もうひとつのノーサイド」(1999年) - シングル「The Last Game〜もうひとつのノーサイド」に収録。テレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』エンディングテーマ
瀧川ありさによるカバー
2017年、瀧川ありさによってカバーされ、「ONE FOR YOU」との両A面シングル『ノーサイド/ONE FOR YOU』としてSME Recordsから発売されました。瀧川にとって6枚目のシングルとなります。
シングル概要
「ノーサイド」は、瀧川にとって初めてのカバー曲です。両A面でカップリングされた「ONE FOR YOU」は瀧川が書き下ろした自作曲で、進研ゼミ高校講座の「進級応援ソング」として、同講座受講会員の専用アプリ「サクッとスタディ」限定でミュージックビデオが先行公開されました。
シングル収録曲
通常盤
1. ノーサイド
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：Saku・瀧川ありさ
テレビアニメ『ALL OUT!!』エンディングテーマ
2. ONE FOR YOU
作詞：瀧川ありさ、作曲・編曲：瀧川ありさ・渡辺拓也
進研ゼミ高校講座 進級応援ソング
3. SUNDAY
作詞・作曲：瀧川ありさ、編曲：瀧川ありさ・渡辺拓也
4. ノーサイド -Instrumental-
5. ONE FOR YOU -Instrumental-
期間生産限定盤
1. ノーサイド
2. ONE FOR YOU
3. SUNDAY
4. ノーサイド -Instrumental-
5. ONE FOR YOU -Instrumental-
6. DVD
* [ノーサイド]
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