ルージュの伝言

ルージュの伝言：松任谷由実の不朽の名曲とその軌跡

松任谷由実（当時：荒井由実）の5枚目のシングル『ルージュの伝言』は、1975年2月20日にリリースされ、日本の音楽史に燦然と輝く名曲として広く知られています。同曲は、同年6月20日発売のアルバム『COBALT HOUR』にも収録されており、A面5曲目としてリスナーを魅了しました。

制作秘話と豪華ミュージシャン陣

『ルージュの伝言』の歌詞は、矢沢永吉氏の最初の妻との夫婦喧嘩をモデルに書き下ろされたと言われています。1974年9月、ユーミンと矢沢永吉氏が共に参加したツアーがきっかけとなり、両者の交流が生まれたというエピソードも興味深いです。

楽曲の編曲は松任谷正隆氏が担当。レコーディングには、山下達郎氏、吉田美奈子氏、大貫妙子氏といった豪華なコーラス陣が参加し、楽曲に深みと華やかさを添えています。松任谷正隆氏は、当初の演奏に満足できず、山下達郎氏らの協力を得て完成させたという経緯を明かしており、山下の貢献の大きさが伺えます。この出来事をきっかけに、ユーミンのポップ・シンガーとしての路線が開拓されたと言えるでしょう。

ジブリ映画との出会い、そしてCMソングへ

1989年公開のスタジオジブリ作品『魔女の宅急便』のオープニングテーマとして使用されたことで、『ルージュの伝言』はさらに大きな注目を集めました。エンディングテーマが同じく松任谷由実の『やさしさに包まれたなら』であったことも、作品を彩る上で重要な役割を果たしました。「アニメソング」「ジブリソング」として、多くのアーティストにカバーされるようになったのも、この映画がきっかけと言えるでしょう。

その後も、サントリーウーロン茶、サントリーオールフリー、ロッテガーナチョコレート、福助、そして映画『すずめの戸締まり』といった数々のCMや映画作品で起用され、世代を超えて愛され続ける楽曲であることが証明されています。さらに、プロ野球・日本ハムファイターズの応援歌としても使用されたという、意外な一面も持ち合わせています。

カップリング曲「何もきかないで」

カップリング曲である『何もきかないで』は、ヘ長調のミドルロッカバラードです。4/4拍子で記譜すると三連符を多用することから、12/8拍子で記譜されることも多い楽曲です。

オリコンチャートとセールス

『ルージュの伝言』はオリコンチャートで16週に渡りランクインし、最高順位は45位、累計6.9万枚のセールスを記録しました。

多彩なカバー、そしてドラマ化

『ルージュの伝言』は、岡崎友紀氏、手塚さとみ氏、川島なお美氏など多くのアーティストにカバーされ続けており、その人気と影響力の大きさを物語っています。

さらに、1991年には松任谷由実の楽曲26曲を題材としたドラマ『ルージュの伝言』がTBS系で放送されました。各楽曲の世界観を反映したオムニバスドラマは、多くの視聴者を魅了したと言われています。このドラマもまた、『ルージュの伝言』という楽曲が持つ普遍的な魅力を改めて示すものとなりました。

まとめ

『ルージュの伝言』は、その美しいメロディー、心に響く歌詞、そして豪華なミュージシャン陣の参加によって生み出された、松任谷由実の代表曲として、日本の音楽シーンに大きな足跡を残しました。ジブリ映画とのタイアップ、数々のCMソングへの起用、そしてカバーソングやドラマ化など、その人気は時代を超えて広く愛され続けています。今後も、多くの人々の心を捉え続ける不朽の名曲として、その輝きを放ち続けることでしょう。

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