ノーザン線

ロンドン地下鉄ノーザン線：ロンドンを縦断する大動脈

ロンドン地下鉄の路線の中でも特に重要な位置を占めるノーザン線は、その名の通りロンドンの北部を起点とし、南部へと伸びる路線です。しかし、その名称とは裏腹に、テムズ川以南の駅にも数多く停車し、ロンドンの広範囲をカバーする重要な交通手段となっています。

路線概要: ノーザン線は、地表から深く地下を通る路線であり、その大部分が地下トンネルで構成されています。全長約58km、50駅もの駅が路線上に点在し、そのうち36駅が地下駅です。年間乗客数は約2億人を超え、ロンドン地下鉄の中でも最も利用者の多い、混雑する路線として知られています。ロンドン地下鉄路線図では黒色で表示されています。

主要な支線と駅: ノーザン線は、大きく分けてハイ・バーネット支線、エッジウェア支線、チャリング・クロス支線、バンク支線、モーデン支線の5つの支線から構成されています。各支線には多くの駅があり、ロンドンの主要な地域を結んでいます。

ハイ・バーネット支線: ハイ・バーネット駅からイースト・フィンチリー駅までを結ぶ支線です。ミル・ヒル・イースト駅はラッシュ時以外、フィンチリー・セントラル駅で折り返し運転を行います。
エッジウェア支線: エッジウェア駅からケンティッシュ・タウン駅までを結ぶ支線です。多くの住宅街や商業地域に停車します。
チャリング・クロス支線: 通称ウェスト・エンド支線とも呼ばれるこの支線は、モーニントン・クレセント駅からチャリング・クロス駅までを結びます。モーニントン・クレセント駅は、エレベーター改修工事のため一時休止した歴史があります。ウォータールー駅までは運行されますが、日中はケニントン駅止まりとなり、ループ線を使って折り返し運転を行います。2021年にはバタシー方面への延伸が予定されていました。
バンク支線: 通称シティ支線として知られ、ユーストン駅からモーデン駅までを結ぶ支線です。ロンドンの金融街であるシティ地区を通過します。
* モーデン支線: モーデン駅からケニントン駅までを結ぶ支線です。住宅街や商業地域に多くの駅があります。

歴史と記録: ノーデン線は1890年に開業しました。モーデン駅からバンク駅を経てイースト・フィンチリー駅までの区間には、かつて世界最長の連続した地下鉄トンネルが存在していました。その長さは約27.8kmに及び、ギネスブックにも掲載されたほどです。しかし、後にモスクワ地下鉄のカレーシュスコ=リースシュカヤ線の延伸によって、その記録は破られました。

廃止駅: ノーザン線には、キング・ウィリアム・ストリート駅、シティー・ロード駅、サウス・ケンティッシュ・タウン駅、ノース・エンド駅など、現在では廃止されている駅も存在します。これらの駅は、歴史的な経緯や路線の再編によって廃止されました。

今後の展望: ノーザン線は、ロンドンの交通網の中核を担う路線として、今後もその重要性を増していくと考えられます。バタシー方面への延伸計画もありましたが、その後の状況は不明です。今後、新たな延伸計画や駅の改良などが行われる可能性もあります。

まとめ: ノーザン線は、ロンドンの歴史と発展を象徴する地下鉄路線です。深い地下を走るその路線は、ロンドンの街の地下を複雑に張り巡らされている様子を表す象徴的な存在となっています。その歴史、路線網、そして人々の生活を支える役割は、ロンドンという都市を理解する上で欠かせない要素です。

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