ノートルダム・ド・ラーケン教会

ノートルダム・ド・ラーケン教会：ベルギー王室の祈りと歴史を刻む聖堂

ブリュッセル近郊ラーケンに位置するノートルダム・ド・ラーケン教会は、ゴシックリバイバル様式の見事な建築美を誇るローマ・カトリック教会です。単なる教会としてだけでなく、ベルギー王室と深く結びついた歴史的建造物であり、歴代の国王や王妃が安らかに眠る霊廟としての役割も担っています。その荘厳な姿と、王室の歴史を語る数々の物語は、訪れる人々を魅了してやみません。

王妃の追憶から始まった建設

この教会の建設は、1850年に亡くなったレオポルド1世の妃、ルイーズ＝マリー・ドルレアンへの深い哀悼の念から始まりました。ラーケン王宮の近くに彼女を埋葬することを望んだレオポルド1世は、霊廟としてこの教会を建設することを決意します。

建築の計画は、当時若き才能を開花させていた建築家ヨセフ・プラールに託されました。プラールは、ゴシックリバイバル様式の優雅さと壮麗さを融合させた、見事な設計図を完成させました。1854年にレオポルド1世自身によって礎石が据えられ、建設が始まりました。しかし、教会の完成は長く、1872年に教会としての機能を果たせる状態になったものの、工事はその後も続けられ、1909年にようやく全工程が完了しました。

王室の眠る地下納骨堂

教会の地下には、納骨堂が設けられています。そこには、教会建設以前からこの地を眠る場所として選ばれた王室のメンバーに加え、レオポルド1世、ルイーズ＝マリー・ドルレアンをはじめ、ベルギー王室の歴代の国王、王妃たちが眠っています。

具体的には、レオポルド2世、マリー＝アンリエット・ド・アブスブール＝ロレーヌ、アルベール1世、エリザベート・ド・バヴィエール、レオポルド3世、アストリッド・ド・スエード、リリアン・バエル、ボードゥアン1世、ファビオラ・デ・モラ・イ・アラゴン、レオポルド・ド・ベルジック、ボードゥアン・ド・ベルジック、シャルロッテ・フォン・ベルギエンなど、ベルギー王室の歴史を彩った人々が安らかに眠っているのです。

祈りと歴史の交差する空間

ノートルダム・ド・ラーケン教会は、単なる宗教施設を超え、ベルギー王室の歴史と文化を体現する象徴的な存在です。その荘厳な建築、そして地下納骨堂に眠る王室メンバーの面々を思うと、歴史の重みと、未来への祈りが交差する空間であることを感じさせられます。ゴシックリバイバル様式の美しい建物と、そこに刻まれた王室の歴史は、多くの観光客を惹きつけ、訪れる人々に深い感動を与え続けています。今もなお、ラーケンの地で、静かに時を刻み続けています。

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