ノーマン・ポグソン

ノーマン・ロバート・ポグソン

ノーマン・ロバート・ポグソン（1829年3月23日 - 1891年6月23日）はイギリスの天文学者であり、彼の主な業績は天体の等級を対数スケールで表す新しい手法を確立したことです。この方法は、現在も天文学の分野で広く使用されています。ポグソンの研究は、彼が観測した星の明るさや発見した小惑星、変光星に大きな影響を与えました。

生い立ちと教育

ポグソンは1829年にイギリスのノッティンガムで生まれました。特に正式な教育は受けていなかったものの、ロンドンのリージェンツ・パークにある私設天文台で働き始めました。ここで、天文学に関する基礎を学び、18歳で2つの彗星の軌道を計算するなど、早くから才能を発揮しました。1850年にはオックスフォード大学のラドクリフ天文台に条件付きの助手として採用され、ここでの勤務を通じて様々な天体観測に関わりました。

天文学者としてのキャリア

ポグソンは1859年初頭にオックスフォードを離れ、ハートウェルの私設天文台に移ると、翌1860年には進歩的な役割として政府の天文学者に任命され、当時イギリスの植民地であったインドのマドラスに赴任しました。マドラスでは、子午線天文学に専念し、3巻から成る子午線天体図を出版、11,015個の星をまとめた目録を作成しました。また、5つの小惑星と18個の変光星を発見するなど、印象的な業績を積み重ねました。

ポグソンは、マドラス天文台の台長として、1891年までその職務を全うしました。この時期に彼の長女、アイシス・ポグソンもまた天文学と気象学の分野で活躍し、王立天文学会の最初の女性会員の一人として評価されました。

大きな業績

ポグソンの最も注目すべき業績の一つは、天体の明るさを表す等級を対数スケールで定義したことです。彼は1856年に、5等級の差が正確に100倍の明るさに相当することを示し、さらに等級の差を示す式を考案しました。この式は今日でも使用され、ポグソンの名にちなんで「ポグソンの式」と呼ばれています。

ポグソンは生涯で8つの小惑星と18の変光星を発見しており、その功績は天文学の進歩に大いに寄与しました。特に、彼の発見した小惑星の一つ「イシス」は、古代エジプトの女神にちなみ、彼の娘の名前とも関係しています。

名を残した業績

ポグソンにちなんで命名されたものには、前述したポグソンの式や、小惑星、月のクレーターなどがあります。彼の業績は今日の天文学の基礎を築くものとされており、その影響は今なお続いています。ポグソンは1891年に死去しましたが、彼の功績と影響は決して忘れられることはないでしょう。

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