ノールショピング交響楽団

ノールショピング交響楽団

ノールショピング交響楽団（スウェーデン語: Norrköpings Symfoniorkester）は、スウェーデン中東部の重要な文化拠点であるノールショピング市に本拠を構えるオーケストラです。美しい音響で知られるルイ・ド・イェール・コンサートホールを主な活動の場としています。

沿革と活動

楽団の歴史は古く、1912年に設立されました。以来、一世紀以上にわたりノールショピング市民にとって重要な音楽的存在であり続けています。本拠地であるルイ・ド・イェール・コンサートホールでの活発な演奏活動に加え、近隣の都市リンシェーピングでも年に数回定期的にコンサートを開催しており、地域全体の音楽文化の振興に貢献しています。

歴代のタクト

ノールショピング交響楽団の発展には、多くの著名な指揮者が関わってきました。歴代の首席指揮者には、以下のような顔ぶれが名を連ねています。

ヘルベルト・ブロムシュテット（1954年-1962年）
オッコ・カム（1972年-1979年）
フランツ・ウェルザー＝メスト（1986年-1991年）
広上淳一（1991年-1996年）
オーレ・クリスティアン・ルード（1996年-1999年）
アラン・ブリバエフ（2006年-2011年）
マイケル・フランシス（2012年-2016年）
カール・ハインツ・シュテフェンス（2020年- ）

特に、後に世界的な名声を確立したブロムシュテットや、ウィーン国立歌劇場などで活躍するウェルザー＝メストがかつて首席指揮者を務めていたことは特筆されます。また、日本人指揮者の広上淳一も重要な時期に楽団を率いました。現在の首席指揮者はカール・ハインツ・シュテフェンスです。

これに加え、過去には以下のような国際的に活躍する指揮者たちが首席客演指揮者として楽団と共演し、多彩な音楽性をもたらしてきました。

レイフ・セーゲルスタム
ダニエル・ハーディング
ジョセプ・カバリエ＝ドメネク
ステファン・ソリヨム

録音活動

ノールショピング交響楽団は、録音活動にも積極的に取り組んでいます。これまでに、BIS、cpo、DENON、SIMAXなど、クラシック音楽の主要なレーベルから多数のアルバムを発表してきました。特筆すべき録音としては、スウェーデンの作曲家アラン・ペッテション＝ベリエルの交響曲全集や、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を含むピアノと管弦楽作品全集が挙げられます。また、現代音楽にも力を入れており、イギリスの作曲家ジョン・ピッカードの作品集などもリリースしています。これらの録音は、楽団の幅広いレパートリーと高い演奏能力を示すものとなっています。

ノールショピング交響楽団は、その長い伝統を受け継ぎながら、現代の音楽シーンにおいても重要な存在感を放っています。地元コミュニティに根ざした活動と国際的なレベルでの演奏・録音活動を通じて、スウェーデンを代表するオーケストラの一つとして、その地位を確固たるものにしています。

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