ノーンブワラムプー県

タイ東北部にあるノーンブワラムプー県（タイ語: จังหวัดหนองบัวลำภู）は、比較的近代に設立された県として知られています。

歴史的背景

この県の成り立ちは、1993年にさかのぼります。それまで隣接するウドーンターニー県の一部であった五つの郡が分離し、新たな県として独立しました。これは当時のタイにおいて最も新しい県であり、地方行政の再編を示す事例の一つでした。しかし、2011年3月23日に北部国境地帯にブンカーン県が誕生したことで、ノーンブワラムプー県が「最も新しい県」としての地位を譲ることになりました。

地理的特徴

ノーンブワラムプー県は、タイ東北部の広大なコーラート台地の一角に位置しています。この台地特有の地形や気候の影響を受けています。県内には豊かな自然が残されており、二つの国立公園を有していることも特徴の一つです。緑豊かな景観は、この地域の重要な魅力となっています。面積はおよそ3,859平方キロメートルであり、これは日本の埼玉県とほぼ同じ規模に相当します。県境は、北東でウドーンターニー県、南東でコーンケン県、西でルーイ県と接しています。

行政区分

ノーンブワラムプー県は、六つの主要な行政区分である郡（アムプー）に分けられています。さらに、これらの郡はより小さな単位である町（タムボン）に細分化されており、その数は五十九に上ります。そして、最も基礎的な地域コミュニティである村（ムーバーン）は、県全体で六百三十六を数えます。この区分けは、タイにおける標準的な地方行政の仕組みに則ったものです。

悲劇的な事件

近年、この県において、非常に悲惨な出来事が発生しました。2022年10月6日、ナークラーン郡ウタイサワンナクラン町にある子ども発達センターで、元警察官による銃乱射事件が発生しました。この事件は、多くの罪のない命を奪い、国内外に大きな衝撃を与えました。犠牲者は幼い子どもたち二十二人を含む合計三十四名に及びました。容疑者は犯行後に自殺したと報じられています。この事件は、県にとって、そしてタイ社会全体にとって、深い悲しみとトラウマを残しました。

ノーンブワラムプー県は、比較的新しい歴史を持ちながら、豊かな自然と穏やかな人々の暮らしが営まれている地域です。過去の悲劇を乗り越えつつ、その魅力を保ち続けています。

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