ハイテック・ノークライム

アルバム『ハイテック・ノークライム』について

『ハイテック・ノークライム』（HI-TECH / NO CRIME）は、日本の音楽グループ、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）のリミックス・アルバムです。このアルバムは1992年6月21日にアルファレコードからリリースされました。

概要

本作では、LFO、808ステイト、シェイメンなどの著名なハウス系アーティストたちがリミックスを手がけており、彼らの作品は当時の音楽シーンに強い影響を与えました。海外でもアルバムはリリースされており、日本盤とは異なる選曲や曲順が特徴的です。特に1993年にはアメリカでも発売され、その記念としてイギリスでリリースされたアルバム『HI-TECH / U.S.CRIME』は日本版に極めて近い内容となっています。

アルバムに関して、YMOのメンバー細野晴臣は、「その曲に圧倒されることはなかったが、全体的な雰囲気は得難い面白さがあった」と語っています。

批評

音楽情報サイト『CDジャーナル』は本作のサウンドについて、「従来の激しいリミックスとは異なり、より軽快で環境音に近づいたハウスのインストアルバムになっている」と評価し、肯定的な見解を示しています。このように、リミックスアルバムでありながら、新しいアプローチが試みられている点が注目されています。

収録曲

日本盤の収録曲は以下の通りです。

1. CAMOUFLAGE MARK GAMBLE MICRO-MIX [I]
- マーク・ギャンブルによるリミックスで、4thアルバム『BGM』の音源を使用。

2. FIRECRACKER THE SHAMEN REMIX
- シェイメンのリミックス。坂本龍一のピアノ音源が使用されています。

3. MULTIPLIES THE ALTERN 8 REMIX
- オルタネイトによるリミックス。3rdアルバム『増殖』の音源を基にしています。

4. LIGHT IN DARKNESS THE DARKNESS THE 808 STATE REMIX
- 808ステイトがリミックス。5thアルバム『テクノデリック』からの音源です。

5. BEHIND THE MASK THE ORBITAL REMIX
- オービタルによるリミックスで、2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』のヴォーカル音源が使用されています。

6. LOOM MARK GAMBLE MICRO-MIX [II]
- 再度マーク・ギャンブルによるリミックスで、再び『BGM』からの音源を使用。

7. TECHNOPOLIS THE RYTHMATIC REMIX
- リズマティックによるリミックスで、2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の音源を使っています。

8. LA FEMME CHINOISE THE LFO REMIX
- LFOのリミックスで、原曲をほぼ維持していない斬新なアプローチが特徴。

9. CASTALIA MARK GAMBLE MICRO-MIX [III]
- これもマーク・ギャンブルが手がけたリミックスで、坂本のピアノが使用されています。

10. TIGHTEN UP THE ROBERT GORDON REMIX
- ロバート・ゴードンによるリミックス、3rdアルバム『増殖』の音源を使用。

11. SHADOWS ON THE GROUND THE SWEET EXORCIST REMIX
- キャバレー・ヴォルテールのリチャードとDJパロットによるユニットによるリミックス。

12. RYDEEN THE GRAHAM MASSEY REMIX
- グラハム・マッセイのリミックス、2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』を使用。別途、ベスト・アルバム『テクノ・バイブル』にはそのショートバージョンが収録されています。

欧州と北米盤の違い

アルバムには、インターナルレコード版と北米販売版もあり、曲目に一部の違いが見られます。一部の曲が異なるリミックスに仕上げられており、聴き比べる楽しみも生まれます。

このように『ハイテック・ノークライム』は、YMOの楽曲に新たな視点をもたらす試みとして、多くのリミックスアーティストが参加しており、今でも多くのファンに支持されています。

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