ハイビャクシン

ハイビャクシン（這柏槙）

ハイビャクシン（学名: Juniperus chinensis var. procumbens）は、ヒノキ科ビャクシン属に分類されるイブキの変種です。ミヤマビャクシンの海岸型、または独立種として扱われることもあります。別名としてソナレ、イワダレネズなどがあります。

特徴

ハイビャクシンは、地面を這うように広がる匍匐性の常緑低木です。生育しても高さは70cm程度にとどまり、崖から垂れ下がるように生育することもあります。枝先は上向きに伸びるのが特徴です。

葉: 通常は長さ6～8mmの針葉で、先端が鋭く尖っています。3輪生または十字対生します。老木になると、稀に鱗片葉をつけることもあります。
球果: 液果状の漿質球果で、直径は8～9mmと基準変種よりもやや大きめです。

分布

ハイビャクシンは、主に海岸近くの砂地や崖に分布しています。具体的には、福岡県（沖ノ島）、佐賀県（馬渡島）、長崎県（五島列島美良島、壱岐、対馬）、韓国の大黒山島などで確認されています。時には大きな群落を形成することもあります。

保全状況

日本全体としては絶滅危惧種に指定されていませんが、福岡県や佐賀県のレッドリストでは絶滅危惧I類に指定されています（2023年現在）。また、山形県で絶滅危惧I類、岩手県で準絶滅危惧の指定を受けていますが、これらの地域は一般的にハイビャクシンの分布域とはされていません。

人間との関わり

ハイビャクシンは、その匍匐性から庭園のグランドカバーとして利用されることが多いです。また、盆栽や日本庭園にも用いられます。海岸近くに自生するため、潮風や砂に強い性質を持ち、挿し木で容易に増やすことができます。

ハイビャクシンは、その独特な形状と育てやすさから、庭木や盆栽として親しまれています。しかし、生育環境の変化などにより、一部地域では絶滅の危機に瀕しています。自生地の保護や適切な管理が求められています。

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