ハイミー

ハイミー：複合調味料の歴史と基礎知識

概要

「ハイミー」は、味の素株式会社が製造する複合調味料で、1962年に初めて市場に登場しました。発売当初は「ハイ・ミー」という名称でしたが、1979年からは現在の「ハイミー」と表記されています。日本の家庭や飲食店で広く使用されており、その特性や成分により料理の味を引き立てる重要な役割を果たしています。

歴史の背景

この調味料のルーツは、1913年に東京帝国大学の池田菊苗教授の弟子、 小玉新太郎によって発見された鰹節のうま味成分、イノシン酸にさかのぼります。その後、味の素社はこれを活用して、1933年に特許を取得し、調味料としての実用化を進めていきます。その後、他の企業も競って類似の製法の特許を得る中で、1959年には味の素社がイノシン酸ナトリウムを含む調味料の特許を出願しました。

特に1960年代には、関連企業との特許争いが話題になり、味の素社は競争が激化する中で、新しい技術の開発に注力しました。1962年には、MSG（グルタミン酸ナトリウム）にイノシン酸ナトリウムをコーティングした「ハイミー」を発売。これにより、味の素社は市場での競争力を高めることに成功しました。この時期には、消費者向けのプロモーションとして、エプロンプレゼントキャンペーンも展開し、1966年には同カテゴリー製品での市場シェアトップを獲得しました。

成分と特性

2015年度の「ハイミー」の成分は、家庭用がグルタミン酸ナトリウム92%、イノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウム各4%という配合になっています。業務用では、グルタミン酸ナトリウム92%に対し、5'-リボヌクレオチド二ナトリウムが8%配合されています。この違いにより、業務用はより強い味付けが可能で、料理における用途に応じて使い分けられています。

特に家庭用の「ハイミー」は佐賀県で製造されており、イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムはキャッサバから発酵を経て製造されています。これに対して業務用は、タピオカやとうもろこしのでんぷんが原料となるため、若干の成分の違いは存在するものの、基本的な効果は変わりません。家庭用は、消費者にとって使いやすい調味料として普及しており、様々な料理に適した調味料とされています。

広告やプロモーション

ハイミーの広報活動も注目されています。1970年代から1980年代にかけて放送されたテレビCMは、非常に多くの人に親しまれました。特に、宮崎県民謡の替え歌を使用したCMは人気があり、ACCCMフェスティバルのグランプリも受賞するなど、その記憶に残る楽曲と映像は今も多くの人に語り継がれています。

まとめ

「ハイミー」は、単なる調味料の枠を超え、日本の食文化に根付いた存在となっています。その成分の特性や商品展開、歴史を知ることで、より一層この調味料を楽しむことができるでしょう。料理の味を引き立てる強力な味方として、今後も広く愛用されていくことが期待されます。

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