ハインリヒ・ションブルク

ハインリヒ・ションブルク（Heinrich Schomburgk, 1885年6月30日 - 1965年3月29日）は、ドイツ・ライプツィヒ出身の男子テニス選手です。彼は、1912年のストックホルムオリンピックにおいて、ドロテア・ケーリング（1880年 - 1945年）とペアを組み、混合ダブルスで金メダルを獲得したことで知られています。また、1906年には、ドイツ人テニス選手として初めてウィンブルドン選手権に出場した3人のうちの1人でもあります。彼のフルネームはハインリヒ・ゲオルグ・ションブルク（Heinrich Georg Schomburgk）です。

ションブルクはライプツィヒのスポーツクラブに所属し、テニスだけでなくサッカーでもドイツを代表する選手でした。1906年、ドイツは初めてウィンブルドン選手権に選手を派遣し、ハインリヒ・ションブルク、R・F・カルベラー、L・クーレンカンプの3名がオールイングランド・クラブに遠征しました。イギリスの歴史家ランス・ティンゲイの著書『ウィンブルドンの100年史』には、1914年までの海外遠征出場者が記録されています。カルベラーとクーレンカンプは初戦を棄権しましたが、ションブルクはフランク・ライスリーとの3回戦まで進出しました。しかし、当時のダブルスでトップクラスの選手であったライスリーに 1-6, 2-6, 0-6 で敗れました。ションブルクのウィンブルドン参加はこの1度きりでしたが、1907年以降もドイツは毎年ウィンブルドン選手権に選手を送り込みました。

ションブルクは、1908年ロンドンオリンピックと1912年ストックホルムオリンピックの2大会連続で、ドイツ代表としてテニス競技に出場しました。ロンドンオリンピックでは、シングルスは2回戦でフランスのモーリス・ジェルモーに敗れ、オットー・フロイツハイムと組んだ男子ダブルスも2回戦で南アフリカのハロルド・キトソン＆ビクター・ゴーントレット組に敗れました。4年後のストックホルムオリンピックでは、男子シングルスはキトソンとの4回戦まで進み、オットー・フォン・ミュラーと組んだ男子ダブルスは2回戦で敗退しましたが、ドロテア・ケーリングと組んだ混合ダブルスで見事金メダルを獲得しました。ションブルクとケーリングは、決勝で地元スウェーデンのグンナー・セッターウォール＆ジークリット・フィック組に 6-4, 6-0 のストレートで勝利しました。当時、ションブルクは27歳でした。

ドイツ人選手によるオリンピックテニス競技の金メダルは、第1回近代オリンピックである1896年アテネオリンピックの男子ダブルスでフリードリヒ・トラウンが獲得して以来です。ただし、トラウンは個人参加者としてイギリス人選手のジョン・ピウス・ボーランドとの「混合チーム」で金メダルを獲得したため、ドイツ代表選手同士のペアによるテニスの金メダルは、ションブルクとケーリングが初めてとなります。偉業達成から半世紀以上が経過した後、ハインリヒ・ゲオルグ・ションブルクは1965年3月29日にザクセン州ケーニッヒシュタインで79歳で亡くなりました。

参考文献
Lance Tingay, “100 Years of Wimbledon” (ウィンブルドンの100年史) Guinness Superlatives Ltd., London (1977) ISBN 0-900424-71-0
Erich Kamper & Bill Mallon, “The Golden Book of the Olympic Games” (オリンピックのゴールデン・ブック) Vallardi & Associati, Milan, Italy (1992) ISBN 88-85202-35-7

外部リンク
1906年ウィンブルドン選手権 (抽選表提供：Grand Slam Tennis Archive)
ハインリヒ・ションブルク - Olympedia(英語)
* アテネオリンピックテニス・メディアガイド (英語、PDF)

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