ハウィー・シュルツ

ハワード・シュルツ：二刀流のパイオニア

ハワード・ヘンリー・"ハウイー"・シュルツ（Howard Henry "Howie" Schultz, 1922年7月3日 - 2009年10月30日）は、野球とバスケットボールの両方でプロとして活躍した、非常に珍しい経歴を持つ人物です。ミネソタ州セントポールで生まれ、野球では一塁手、バスケットボールではセンターやフォワードとして活躍しました。

生い立ちと才能の開花

シュルツは3人兄弟の2番目として生まれ、スティルウォーターで育ちました。中学3年生の頃から本格的に野球とバスケットボールを始め、高校でも両方のスポーツで才能を発揮しました。自宅からほど近いハムリン大学に進学し、特にバスケットボールで目覚ましい活躍を見せました。その野球の才能もプロのスカウトの目に留まり、1941年には大学生でありながらノーザンリーグのグランドフォークスでプレーしました。1942年には、NCAAに加盟していない小規模校による組織であるNAIAのトーナメントで優勝しています。

プロ野球選手としてのキャリア

シュルツは毎年夏に野球を続けており、1942年にはマイナーリーグAAA級のセントポール・セインツに昇格しました。第二次世界大戦中にも、身長が高すぎたため兵役を免れ、1943年から1948年までMLBのブルックリン・ドジャース、フィラデルフィア・フィリーズ、シンシナティ・レッズでプレーしました。

1943年、ドジャースのゼネラルマネージャー、ブランチ・リッキーに才能を見出され、同年8月16日にMLBデビューを果たしました。リッキーは当時のシュルツを俊足、強肩、そしてパワーヒッターであると評しています。ドジャースではレギュラー一塁手として活躍し、1943年には45試合に出場、打率.269、1本塁打、38打点を記録しました。翌1944年には138試合に出場し、130安打、11本塁打、87打点とさらに目覚ましい成績を残しました。

シーズンオフにはカレッジバスケットボールの試合にも出場しましたが、プロ野球選手である彼のアマチュア資格が問題視されました。ミネソタ州では異なるスポーツでのプレーは問題ないと判断されましたが、対戦校のコーチなどから反発を受けました。1944年12月21日には、ハーレム・グローブトロッターズを破るという番狂わせを演じています。

1946年、シュルツは主に左投手との対戦で起用されました。この年、ドジャースはセントルイス・カージナルスと並んでリーグ優勝決定プレイオフに進出。シュルツは第1戦に先発出場し、同点本塁打を放つなど活躍しましたが、チームは敗れました。第2戦では代打として出場しましたが、三振に終わり、ワールドシリーズ出場は叶いませんでした。

1947年、ジャッキー・ロビンソンがドジャースに加入したことで、一塁手のポジションを失い、フィリーズへトレードされました。その後、1948年にはレッズへ移籍し、MLBでの6年間で470試合に出場、打率.241、24本塁打、163打点の成績を残しました。

プロバスケットボール選手としてのキャリア

1946年から1949年までNBLのアンダーソン・パッカーズでプレーし、1949年にNBLがNBAに吸収された後も、1949-50シーズンは選手兼ヘッドコーチとしてチームを率いました。その後、フォートウェイン・ピストンズへトレードされ、ミネアポリス・レイカーズでは1952年にNBAファイナルで優勝を経験しました。NBL、NBAを合わせて338試合に出場し、2513得点を記録しました。

引退後とレガシー

現役引退後は高校の教師となり、バスケットボールと野球の指導にあたりました。2009年10月30日、癌のため87歳で亡くなりました。

ハワード・シュルツは、MLBとNBAの両方でプレーした数少ない選手の一人であり、その多才さとスポーツへの情熱は、後世に語り継がれることでしょう。

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