ハウク・エルレンズソン

ハウク・エルレンズソン

Haukr Erlendsson（古ノルド語表記）、 Haukur Erlendsson（アイスランド語表記）として知られるハウク・エルレンズソンは、13世紀に生まれ1334年に没した、アイスランド出身の法官であり、後にノルウェーの法官、そして騎士となった人物です。彼が所有し、自ら書写・編纂した古ノルド語写本《ハウクスボーク》は、多くのサガや『植民の書』を収録しており、その功績は高く評価されています。現代アイスランド語では、ハウクル、ホイクルなどとも発音されます。

生涯

ハウクの父は、強豪のエルレンド・オーラヴソン（Erlendr Ólafsson sterki）といい、「肥満の」（digre）という異名も持っていました。彼は1312年に亡くなっています。ハウクの生年は不明ですが、母はヨールン（Jórunn）といい、その祖先は『ハールヴとハールヴスレックのサガ』（Hálfs saga ok Hálfsrekka）に登場する伝説的な英雄、ホールザランドのハールヴ王（Hálfr Hjörleifsson）の兄弟に遡ることができるとされています。この事実は『植民の書』でも確認できます。

ハウクは嫡出子ではなかったと推察されていますが、彼の生母が妾であったか、最初の夫人であったかは定かではありません。しかし、イアルンゲルズ（Járngerðr）という女性が継母として存在したことは確かであり、『植民の書』には彼女がエルレンドの妻として記録されています。エルレンドが亡くなった1312年には、彼女が妻であったと断定できます。ハウクには、ヴァルゲルズ（Valgerðr）という異母姉妹がいました。

ハウクが結婚した相手はステイヌン（Steinunn）という女性で、フラヴン・スヴェインビェルンソンの子孫を自称していました。

ハウクの父は1287年にアイスランドの法官（lögmaðr）に任命され、1289年にノルウェーに渡って法官の地位を得ました。1290年または1292年にはヴェストフィルジルを領地として与えられています。ハウクは幼少期を過ぎてからノルウェーで教育を受けました。

ハウクも父と同様に、少なくとも1294年以前にはアイスランドの法官の地位を得ており、1299年までその職を務めました。1301年頃にノルウェーに渡り、1303年から1322年までオスロおよびグーラシングで法官を務めました。1303年頃には、国王評議会にも列席しています。また、マグヌス4世をノルウェー王として迎える決定にも関わっています。

当時、法官の身分であっても、「ヘッラ」（herra）の称号を名乗れる場合とそうでない場合があったようですが、1309年の書簡にはハウクがヘッラ爵号で宛名書きされており、1311年の書簡では「グーラシング法官にして騎士」と呼ばれています。

作品

《ハウクスボーク》は、数編のアイスランド・サガや『植民の書』の写本、そして「アルゴリスムス」というタイトルの算術書を収録した重要な写本です。収録されたサガの中には、『赤毛のエイリークのサガ』の異本も含まれており、その中で新天地ヴィンランドに到達した冒険家、ソルフィン・ソルザルソンは、ハウクの祖先の一人として描かれています。

ハウクは、《ハウクスボーク》の編纂以外にも、自身の時代の出来事を記録した「ハウクの年代史」も残しています。

家系譜

ハウクの家系譜は、《ハウクスボーク》版の『赤毛のエイリークのサガ』の末尾に加筆された家系の記述と、『植民の書』などの情報を基に補完されたものです。

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