ハクセツ (1965年生)

ハクセツの物語

ハクセツは日本の競走馬であり、その歴史は千葉県富里村の扶桑牧場に1965年に生まれたことから始まります。この馬は、父がフソウという有名な生産馬で、母はセッシュウという良血馬でしたが、母は未勝利のままでした。ハクセツは、その小柄な体格から買い手がつかず、最終的には母を所有していた中村勝五郎に引き受けられ、1967年に「ハナミドリ」という名前で南関東競馬にデビューしました。

初めは期待されていない存在でしたが、翌年の関東オークスまでに15戦5勝を挙げるなど少しずつ実績を重ねていきました。特に1968年7月に改名された「ハクセツ」として初めて中山競馬場に移籍した際、高橋英夫厩舎にて新たなスタートを切ることになります。この高橋調教師は過去にフソウやセッシュウなどの名馬に騎乗した経験を持ち、期待を寄せられていました。

中央競馬初戦では、池上昌弘騎手に導かれて出走するも4着に終わります。しかし、その後に岡部幸雄騎手に乗り替えられたことで運命が変わります。彼との出会いにより、ハクセツは中央初勝利を遂げ、その後の牝馬東京タイムズ杯において見事な追い込みで重賞初制覇を達成しました。このレースは、岡部にとって初めての重賞勝利でもあり、感慨深い瞬間でした。

ハクセツは、無名であった時代から一気に成長し、レコードタイムでの優勝や重賞連勝を果たすなど、その走りは多くの競馬ファンを魅了しました。特に、1970年の七夕賞ではそのスピードを見せつけ、姉妹での記録更新を叶えるなど、サーキットでの存在感を持つことになります。しかし、その後の競争生活では調子を崩し、最終的には競走からの引退を余儀なくされました。

引退後は扶桑牧場で繁殖牝馬となったものの、目立った産駒は誕生せず、1987年に繁殖引退を迎えました。ハクセツは1988年に24歳で亡くなるまで、競走生活で示した実力と美貌で多くの人々に愛され続けました。特に「白い美少女」と称された彼女の容姿は、騎手や調教師たちによって特に高く評価され、岡部騎手は彼女の走りを「全身バネと闘志の塊」と称賛しました。

ハクセツは、妹のジョセツと共に追い込み馬としても名を馳せており、2004年に行われた特集企画では1950年代から1970年代の追い込み馬部門で第3位に選ばれました。彼女たちは「芦毛の美人姉妹」としても知られ、特にハクセツはその美しい姿から多くのファンに夢を与えた存在として語り継がれています。

結論

ハクセツは、その特異な美と競走能力により、多くの心に残る存在です。彼女の活躍と逸話は競馬の歴史において、今でも多くの愛と敬意を集めています。

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