ハシハーミット

ハシハーミットの生涯



ハシハーミット(1976年2月27日 - 1998年8月27日)は、日本中央競馬会及び道営競馬においてその名を馳せた競走馬である。彼の父はテューダーペリオッドで、オーエンテューダー系のサラブレッドであり、兄弟にはハマノパレードやタケクマヒカルといった有名な競走馬がいる。母のシンホープもまた特異な存在で、父シンザンの初産駒として注目を浴びた。誕生時はあまり目立たず、小柄な馬体であったが、成長するにつれその将来に確かな期待を抱かせるようになった。

競走生活の始まり



ハシハーミットは1976年2月27日北海道の榊原敏夫牧場で誕生した。彼の競走馬としての旅は1978年、阪神で行われた新馬戦から始まった。このレースでは中団から追い上げるも3着に甘んじたが、次のレースではハナ差で勝利を譲らない姿勢を見せた。しかし、その直後に骨瘤の影響で2ヶ月半の休養を余儀なくされた。

その後の復帰戦では最下位となるなど、厳しい滑り出しとなったが、1979年のシーズンでは改善の兆しを見せ、呉竹賞やきさらぎ賞などで次第に着順を上げていった。特に、毎日杯での勝利は彼にとって重賞初制覇といえるもので、そこから名を馳せることとなる。

菊花賞への道



ハシハーミットは1979年皐月賞トライアル・スプリングステークスに挑戦したものの、思うような結果が出ず、その後の皐月賞も残念ながら11着に終わる。その後、右前飛節炎の影響で日本ダービーを断念することになったが、秋の京都大賞典では古馬相手に奮闘し、悲願の勝利へ繋がる好走を見せた。この活躍が評価され、彼は菊花賞に向けて期待される存在となった。

菊花賞は1982年に行われたが、この年は改修中の京都競馬場のため阪神で開催された。事前のレース内容から5番人気に推されたが、雨で不良馬場となり、先行馬が有利な展開が見込まれた。ハシハーミットは後方でレースを進め、直線に入る頃にはライバル馬を凌ぐ位置につけた。最終的には3馬身差で堂々の勝利を収め、名実ともに菊花賞馬としての地位を確立した。

引退とその後



しかしその後、後蹄に病気を発症し、屈腱炎も併発。長期休養を余儀なくされ、1982年になると道営・手島健児厩舎に移籍した。その後は特別戦でも名を馳せるプレーヤーとして注目を集めるも、1983年から調子を落とし始め、1984年には競走馬登録を抹消し、引退生活へと入った。

引退後は新冠の太平洋ナショナルスタッドで種牡馬としての生活を送るが、期待された血統面での成果は残せず、わずか1年で種牡馬としての供用を終了。以降は故郷の榊原牧場に戻り、功労馬として余生を過ごした。

1998年8月27日、ハシハーミットは同場で23歳で生涯を閉じた。その間、6頭の産駒を残したが、彼の競走馬としての能力を引き継ぐ逸材は見つからなかった。血統にはニュージーランド産馬の影響もあったが、全体的には競走馬としての評価が低かったことが影響したと考えられる。彼の名は競馬界で今なお語り継がれることだろう。

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