ハジ・レシ

ハジ・レシ（Haxhi Lleshi, 1913年5月1日 - 1998年1月1日）は、アルバニアの軍人、政治家であり、アルバニア社会主義人民共和国において重要な役割を果たしました。

生涯

1913年、アルバニア北東部のディブラ県に生まれたレシは、1943年4月にアルバニア共産党（後のアルバニア労働党）に入党し、政治の世界に足を踏み入れました。第二次世界大戦中には、パルチザンの一員として祖国解放のために戦い、その勇敢さとリーダーシップを発揮しました。

戦後、1944年から3年間、臨時政府の内務部長（内務大臣に相当）を務め、治安維持と国家建設に貢献しました。この時期に、彼は政治家としての基盤を固め、国民からの信頼を得ていきました。

1953年、レシは人民議会において、国家元首にあたる人民議会幹部会議長に選出されました。しかし、この地位は名目的なものであり、実際の政治の実権は、アルバニア労働党第一書記であったエンヴェル・ホッジャが握っていました。ホッジャは、アルバニアにおける共産主義体制を確立し、絶対的な権力を行使しました。

レシは、1982年まで人民議会幹部会議長の職に留まり、その後、ラミズ・アリアにその地位を譲って引退しました。アルバニアの指導部においては、権力闘争や粛清が頻繁に起こりましたが、レシは比較的安定した地位を保ち、その存在は特異なものでした。

共産主義政権崩壊後の1995年12月、レシは軟禁され、翌年5月24日には、「政権時代の人道を無視した大量虐殺」の罪名で終身刑を宣告されました。これは、共産主義体制下での彼の行動に対する責任を問うものでした。1998年、レシは獄中でその生涯を終えました。

ハジ・レシは、アルバニアの激動の時代を生きた政治家であり、その生涯は、アルバニアの現代史を理解する上で重要な意味を持っています。彼の政治的遺産は、今日においても議論の対象となっています。

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