ハッド (潜水艦)

ハッド (USS Haddo, SS-255)

ハッド (USS Haddo, SS-255) は、アメリカ海軍のガトー級潜水艦の一隻であり、その名はカラフトマス（ピンクサーモン）の通称に由来しています。この潜水艦は、1943年から1945年にかけての太平洋戦争中に数回の哨戒任務を遂行し、多くの戦果を上げました。また、退役から18年後には、パーミット級原子力潜水艦の6番艦として再び「ハッド」という名前が付けられました。

船歴

ハッドは1942年にコネチカット州グロトンにあるエレクトリック・ボート社で起工され、1942年6月21日に進水。艦長ウォーレス・L・レント少佐の指揮の下、1943年10月9日に就役しました。最初の哨戒はニューイングランド水域での整調後、1943年4月にニューロンドンを出航し、スコットランドのロスネースへ向かいました。

最初の哨戒の後、ハッドは第50潜水艦部隊に合流し、ノルウェーに潜むドイツ艦隊の動向を注視しました。しかし、続く哨戒では敵に接触することがなく、アメリカ本国に帰投しました。1943年8月からは太平洋艦隊に配属され、カリフォルニア州のメア・アイランド海軍造船所でオーバーホールが行われ、信頼性に欠けた旧エンジンが新型に交換されました。

哨戒活動

1943年12月からは太平洋にて新たな哨戒活動が始まり、特に南シナ海やフィリピン方面での任務が行われました。ハッドは何度か敵艦船への魚雷攻撃を行い、いくつかの戦果を挙げましたが、敵艦との交戦では必ずしも成功が保証されるわけではありませんでした。特に、1944年の第6回哨戒では、タンカーに対する攻撃を試みながらも、魚雷が命中しなかったというエピソードもあります。

1944年8月には7回目の哨戒に出撃し、南シナ海およびルソン島近海での活動が続きました。この哨戒中には、輸送船団に対する成功した攻撃もありました。ハッドは特に輸送船「のるほうく丸」を沈め、その後護衛艦の反撃を受けながらも大きな損害を受けることはありませんでした。

戦後

ハッドは1946年に退役しましたが、その後もアメリカ海軍の記録に残り続けました。1958年には除籍され、1959年にはスクラップとして処分されました。戦時中の活躍のため、ハッドは海軍殊勲部隊章の受章に加え、6つの従軍星章を受けるなどしています。

ハッドは、その高い軍功を残した艦艇として、アメリカ海軍の歴史に名を刻む存在となっています。当艦の活躍は、戦時の緊迫した状況における潜水艦の戦略的重要性を証明するものといえるでしょう。

もう一度検索