ハノイ・ドンダン線

ハノイ・ドンダン線の概要

ハノイ・ドンダン線は、ベトナムの首都ハノイからドンダン駅へ向かう重要な鉄道路線です。この路線は、ハノイ市のドンダー区に位置するハノイ駅と、ランソン省のカオロック県にあるドンダン駅を直結しています。全長162キロメートルで、特にザーラム駅からドンダン駅間は三線軌条化されており、メーターゲージと標準軌が併用されています。これは中華人民共和国との国境に近い国際列車の運行に対応した重要な特徴です。

建設の歴史

この路線は、1890年に仏領インドシナ時代に建設が開始されました。最初の区間は1894年に開業し、当初の軌間は600mmのナローゲージでした。このプロジェクトは、当時のインドシナ総督ポール・ドゥメールの指導のもとで急速に進展し、1902年にはドンダンまで延長されました。これに伴い、軌間も900mmへと改定され、より大規模な輸送が可能になりました。

1954年には、ベトナム民主共和国の成立後、中国の支援を受けて路線が再整備され、翌年には中国国鉄の湘桂線と接続。この整備によって、ハノイ・友誼関線と呼ばれるようになった期間、特にベトナム戦争中には、路線の重要性が高まり、中国によって更なる修復が図られました。

国際列車の運行

この路線は、国際列車が走行するための基盤としても機能しています。特に、1955年8月に国際列車の運行が開始され、日本国内の貨物輸送もハノイを経由して活発となりました。1955年から1978年までの間、約608,000人の旅客と1731万トンの貨物が輸送された実績があります。その後、1978年に中越関係が悪化したことにより、国際列車の運行は一時中止されました。

しかし、1996年に運行が再開されると、国境を越える鉄道輸送の重要性が再び見直され、ドンダン駅と中国南寧駅との間で定期的な運行が行われるようになりました。最新の情報として、2009年には南寧駅からハノイ（ザーラム駅）間でT8701/8702次列車の運行が始まり、現在も多数の利用者に利用されています。

まとめ

ハノイ・ドンダン線は、歴史的な背景と共にベトナム国内外の鉄道輸送において重要な役割を果たしてきました。今後も、この路線はインフラの一部として、地域経済の発展や人々の移動に寄与し続けるでしょう。

もう一度検索