ハムディーン・サッバーヒー

ハムディーン・アブドルアーティー・サッバーヒーの生涯とその影響

ハムディーン・アブドルアーティー・サッバーヒー（アラビア語: حمدين عبد العاطي صباحي、1954年7月5日生まれ）は、エジプトのジャーナリストであり、政治家としても知られています。彼はアラブ民族主義とアラブ社会主義を掲げるナーセル主義の尊厳（カラーマ）党の創設者であり、その党首としての役割や人民議会議員としての経験を持っています。日本のメディアでは、「サバヒ」または「サッバーヒ」としても知られています。

初期の経歴

サッバーヒーは1954年にカフル・アッシャイフ県バルティームで誕生しました。カイロ大学でマスコミュニケーションを学び、在学中には学生自治会の会長に選ばれるなど、早くからリーダーシップを発揮しました。卒業後はジャーナリストとしてキャリアをスタートしましたが、1977年1月には食品価格の上昇を背景とした暴動に参加し、その際に現在の大統領アンワル・サダトの政策を強く批判しました。この行動が原因で、彼は数年間書くことを禁じられることになりました。

政治活動の始まり

1996年に彼はカラーマ党を設立し、その党首になります。サッバーヒーは社会主義的な観点から経済的な正義、アラブの団結、そして独立した外交政策の必要性を強調。その後、ホスニ・ムバラク政権下で二期にわたり人民議会議員として活動しました。彼の大衆に訴える政治スタイルは、体制に対する明確な対立を示しました。

エジプト革命とその後

2011年にはエジプト革命に参加し、ムバラクの辞任後の2012年大統領選挙には立候補しました。選挙では都市部での支援を受けながらも、最終的には得票率20.72%で3位に終わり、決選投票には進出できませんでした。その後、当時の大統領ムハンマド・ムルシーから副大統領への就任を要請されましたが、これを辞退しました。

2012年9月には「エジプト人民潮流」という政治連合を結成し、同年の政治的動向において自由と公正党からの離脱を選択しました。2013年のエジプトクーデターにおいては、新たに政権を握ったアブドルファッターフ・アッ＝シーシーを支持し、彼を英雄視しました。彼は当時、シーシーが自らの手でも政権に参加することがないよう進言しました。

大統領選挙とその後

2014年には、クーデター後初の大統領選挙への出馬を表明しました。シーシーとの一騎討ちの選挙戦では、わずか3.0%の得票率で敗北しました。

結論

ハムディーン・アブドルアーティー・サッバーヒーは、エジプトにおける政治的対立と変革の重要な象徴であり、彼の活動はアラブ民族主義や社会主義の理念を広める上で大きな影響を与えました。彼の生涯と政治活動は、エジプトの歴史における重要な一ページを描き続けています。

もう一度検索