ハリエンジュ属

ハリエンジュ属（Robinia）：特徴、分布、利用

ハリエンジュ属（学名: Robinia）は、マメ科ソラマメ亜科に分類される属の一つで、主に落葉性の高木または低木です。原産地は北アメリカで、美しい花を咲かせることから、観賞用としても利用されています。

特徴

ハリエンジュ属の植物は、一般的に以下の特徴を持ちます。

樹高：4mから20m以上に成長するものがあります。
幹と枝：幹は直立し、よく分枝します。多くの種で枝にとげが見られます。
葉：左右非対称の羽状複葉をしています。
花：しだれ状の総状花序を形成し、白またはピンク色の花を咲かせます。この花は、ミツバチの蜜源としても重要です。

分布

ハリエンジュ属は約20種が、アメリカ合衆国からメキシコ中部にかけて分布しています。日本には、ハリエンジュ（ニセアカシア）が明治初期に導入されました。当初は薪炭材や緑化木としての利用が期待されていましたが、現在では養蜂用の蜜源としての価値が主となっています。

利用

養蜂：ハリエンジュの花は蜜の量が多く、良質な蜂蜜の原料となります。
緑化：かつては緑化木として利用されていましたが、現在では他の樹種に代替される傾向があります。
庭園樹・公園樹：欧米では、交配種が庭園や公園の景観を彩るために用いられています。

主な種

ハリエンジュ属には、以下のような種が含まれます。

ハナエンジュ (Robinia hispida)
Robinia neomexicana
ハリエンジュ（ニセアカシア） (Robinia pseudoacacia)
Robinia viscosa

中でもニセアカシアは、日本で広く知られており、その白い花と甘い香りは、春の訪れを感じさせる風物詩となっています。

学名の由来

属名の Robinia は、フランスの植物学者ジャン・ロバン (Jean Robin) にちなんで名付けられました。

参考文献

連合王国 The Royal Horticultural Society: Dictionary of Gardening 「Robinia」の項
茂木透写真「ハリエンジュ属 Robinia」『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、108-109頁。ISBN 4-635-07004-2。

関連項目

ジャン・ロバン (植物学者)
エマニュエル・ジョフロア

外部リンク

Robinia - National Center for Biotechnology Information（NCBI）
Robinia - Encyclopedia of Life
マメ科 - 岡山理科大学

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