ハリガン (駆逐艦)

ハリガン（USS Halligan, DD-584）



ハリガン（USS Halligan, DD-584）は、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦の一隻として、第二次世界大戦中に重要な役割を果たした艦船です。艦名は海軍将校のジョン・ハリガン・ジュニアに由来しています。

艦歴



この艦は1942年11月9日にマサチューセッツ州ボストンのボストン海軍工廠で起工され、1943年3月19日に進水しました。その後、同年の8月19日に正式に就役し、海軍の任務に従事し始めます。

1943年



ハリガンは、1943年中にバミューダ諸島沖で調整を行い、11月には、テヘラン会談に向かうフランクリン・ルーズベルト大統領を護衛する大型戦艦「アイオワ」と合流しました。この関連で、ハリガンはカサブランカまでの護衛艦隊の一員としての任務を担い、北アフリカ沖において対潜哨戒活動を展開しました。12月11日、再び「アイオワ」と合流し、サウスカロライナ州チャールストンに入港しました。

1944年



1944年に入ると、ハリガンは太平洋作戦に配備され、チャールストンを出港し、カリフォルニア州サンディエゴを経由して真珠湾に到達しました。第52任務部隊（TF52）の一員として、マーシャル諸島侵攻に参加し、クェゼリンの戦いでは哨戒任務を果たしました。その後、サイパンでの作戦支援を行い、護衛空母「ナトマ・ベイ」と「マニラ・ベイ」の護衛に就きました。

6月22日、ハリガンは敵急降下爆撃機の攻撃を受けましたが、冷静にこれを撃退しました。9月15日にはエニウェトク環礁に向けて出港し、フィリピン侵攻のための機動部隊に合流しました。10月20日にはレイテ湾に入り、敵航空機からの攻撃に直面しつつも、輸送船護衛任務を遂行しました。

1945年



1945年の初頭には、ハリガンはパラオを出港し、スリガオ海峡を抜けてルソン島の戦いに参加しました。この時、艦隊は大規模な特攻を受け、護衛空母「オマニー・ベイ」は致命的な攻撃を受けました。ハリガンは特攻機の1機を撃墜し、損傷する「スタフォード」を救助するなどの活躍も見せました。また、硫黄島の戦いにも参加し、火力支援と哨戒任務の両方に従事しました。

しかし、3月26日、突如として艦体が大爆発に襲われ、艦首を失うという大きな被害を受けました。この爆発は機雷との接触によるもので、ハリガンの乗員の半数を失う結果となりました。生存者の救助活動が行われたものの、この艦は放棄され、その後沖縄近くの渡嘉敷島に漂流しました。1945年4月28日、ハリガンは正式に海軍の艦籍から除籍され、1957年には琉球政府にその船体が寄贈されました。

受章



ハリガンは、その戦功により、第二次世界大戦で6個の従軍星章を受章しています。この艦は多くの激闘を経て、アメリカ海軍の歴史に名を刻む存在となりました。

関連項目



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