ハリー・ホップマン

ハリー・ホップマンについて

ハリー・ホップマン（Harry Hopman、1906年8月12日 - 1985年12月27日）は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニー市で生まれた著名な男子テニス選手であり、名監督としても知られています。彼の本名はヘンリー・クリスティアン・ホップマンですが、「ハリー・ホップマン」の名前で広く知られています。彼は、現役時代には特にダブルスプレーヤーとして優れた成績を残し、またデビスカップのオーストラリア代表監督としても多くの成果を挙げました。

選手としての足跡

ホップマンの競技キャリアは1928年に始まりました。初年度、彼は全豪選手権でジャン・ボロトラとの対戦を経て準々決勝に進出。1929年と1930年には、ジャック・クロフォードとペアを組んで全豪選手権の男子ダブルスで連覇を達成しました。特筆すべきは1930年で、この年には男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスのすべての種目で決勝に進出し、男子ダブルスと混合ダブルスで優勝。ただし、男子シングルス決勝ではエドガー・ムーンに敗北し、その後も1932年まで3年連続で準優勝を経験しました。

彼の人生の伴侶であるネル・ホールとは、1930年の全豪混合ダブルスで知り合い、1934年に結婚しました。夫婦としても、1936年、1937年、1939年に全豪選手権の混合ダブルスでの栄冠を掴みました。

シングルスでは、1936年と1937年の全豪選手権で準決勝に進出しますが、いずれも優勝には至りませんでした。加えて、全仏選手権や全米選手権でもベスト8に進出する実力を示しましたが、ウィンブルドン選手権では思うような結果を残せませんでした。

デビスカップ監督時代

1938年からデビスカップのオーストラリア代表監督に就任し、彼の才能は選手としての活動を超えて発揮されました。ホップマンが監督に就任した年、オーストラリアはアメリカン・ゾーンの決勝で日本と戦います。この際、彼はエイドリアン・クイストとジョン・ブロムウィッチをメンバーに迎えました。特に1939年には、オーストラリアが20年ぶりにデビスカップを奪還しました。

しかし、第二次世界大戦の影響でデビスカップが開催中止となります。戦後、1946年にデビスカップが再開され、ホップマン監督の指導のもと、オーストラリアは1950年に終戦後初の優勝を果たします。その結果、1967年までに総計で16回の優勝を達成。彼の指導の下、数々のテニスの名選手たちが育ちました。

ホップマン監督の練習メニューは厳しく、彼は選手たちに対して徹底した訓練を課していました。時には、夜間の外出禁止違反に対して罰金を科すこともありましたが、その真摯な姿勢が選手たちからの信頼を集めた理由でもあります。彼はまた、スポーツ・ジャーナリストとしても活動していたことが知られています。

晩年と遺産

1968年に妻ネルを失った後、ホップマンは1969年までデビスカップのキャプテンとして活動し、後の世代に道を譲りました。その後、アメリカに移住し、ティーチング・プロとして若手選手の指導にあたりました。晩年にはフロリダ州ラルゴに定住し、新しい妻と共に「ホップマン・テニス・アカデミー」を設立。1978年には国際テニス殿堂に迎えられました。

1985年に79年の生涯を閉じたホップマンの遺志は、彼の名を冠した「ホップマンカップ」の設立によって引き継がれています。この大会は、国を代表する男女ペアによる団体戦として毎年開催される重要なイベントです。ホップマンの生涯と功績は、今なおテニス界に影響を与え続けています。

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